法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

〔草稿7〕条件:排除の対象

〈怒り〉の理由を探っているうちに、偶然にも〈怒り〉の発生条件をひとつ見つけることができました。潜在意識における相手の《上下感》が《下位》であることでした。

しかし《上下感》だけでは、親しい人と赤の他人とでは同じ行為に対する感じ方が全然違うことがうまく説明できません。発生条件は他にもありそうです。

そこで、改めて生まれてこの方の体験をあれこれと振り返ってみたところ、ふたつめの発生条件として、潜在意識における相手の《内外感》が浮かび上がってきました。

潜在意識における相手の《内外感》

人は無意識のうちに境界線を引いて、相手が境界線の内側の人か外側の人かを判定しているようです。その判定結果のことを、以下では潜在意識における相手の《内外感》と呼ぶことにします。《内外感》は、潜在意識における相手との距離感(もしくはウチとソトの感覚)を表していると考えることもできます。

《内外感》は、大きく分類すると《内側》《境界》《外側》の3種類からなります。ただし、それぞれ度合いがあります。そこで、数直線をイメージして、《内側》がプラス、《境界》がゼロ付近、《外側》がマイナスと考えた方が分かりやすいかもしれません。度合い(もしくは数値)は、その時々の相手の言動に応じて細かく変動するようです。

〈怒り〉と《内外感》

さて、潜在意識における相手の《内外感》について探察した結果、次のことがわかりました。

〈怒り〉の原因を五感が捉えると、《内外感》の度合いが《外側》方向に若干変動するようです。数直線のイメージで言うと、《内外感》の数値が若干下がるようです。その結果の《内外感》が《外側》であることが、〈怒り〉の発生条件のひとつとなっているようでした。

したがって、〈怒り〉の発生条件は《上下感》が《下位》かつ《内外感》が《外側》ということになります。しかし、《上下感》と《内外感》を組み合わせて判定するときは、潜在意識における相手の《位置付け》として判定すると分かりやすそうでした。

潜在意識における相手の《位置付け》

人は無意識のうちに、相手との関係の取り方を判断しているようです。その判断結果のことを、以下では潜在意識における相手の《位置付け》と呼ぶことにします。《位置付け》は、《上下感》と《内外感》の組み合わせによって、おおよそ次のように判断されるようです。

《内側》 《外側》
《上位》 尊敬 敬遠
《下位》 支配 排除

この表を使うと、〈怒り〉の発生条件は、《位置付け》が「排除」であることと表現できます。

なお、数直線のイメージを拡張する場合は、この表は二次元平面として図示されます。

発生過程

以上より、〈怒り〉の発生過程は次のように推測できます。

  1. 五感から入ってきた情報は、まずは潜在意識で処理されます。その際、《自己否定》の心傷が刺激を受けたり、《信念世界》に反する言動を見たりすると、下記が実行されます。

    • 相手の《上下感》の数値が下がります。(《下位》方向に変動します)
    • 相手の《内外感》の数値が下がります。(《外側》方向に変動します)

    〈怒り〉の原因が激しければ激しいほど、変動幅が大きくなるようです。

  2. 下記が並行して判定・実行されます。

    • 《上下感》が《下位》かつ《内外感》が《外側》である場合は、相手に対して〈怒り〉が発生します。(このとき、《位置付け》は「排除」です)
    • 《上下感》が《下位》である場合は、相手に対して自分自身の否定像を投影します。その『投影像』により《上下感》の数値がさらに下がります。《自己否定》が激しいほど大きく下がります。下がり方に応じて、『投影像』は増幅されます。

    〈怒り〉が発生した場合のみ、以下に進みます。

  3. 潜在意識が〈怒り〉と『投影像』の間に直接的な因果関係があると誤認した場合は、「あいつが××したから腹が立った」のようなストーリーを創作します。これが〈怒り〉の理由となります。(誤認できなかった場合は、理由は作られません)

  4. 〈怒り〉と理由は、潜在意識から顕在意識へと届けられます。顕在意識はそれを鵜呑みにします。

※これは発見当時の推測です。

まとめ:発生条件

〈怒り〉の発生条件は、潜在意識における相手の《位置付け》が「排除」となることでした。具体的には、《上下感》が《下位》かつ《内外感》が《外側》であることでした。

したがって、あらゆる人に対する《上下感》を《下位》でなくしたり、《内外感》を《外側》でなくしたりできたなら、〈怒り〉を小さくしていくことができると同時に、〈怒り〉の理由も穏やかにしていくことができるのではないかと思います。