法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

コーヒーの思い出

自宅でコーヒーを再び入れるようになったのは、二つ目の病気の発症から1年も経ってない頃のことだったと思います。

当時はちょっとしたことで記憶がパンと飛んで、自分がどこにいて何をしているのか、よくわからなくなってました。そのようなときは、辺りを見回して、手に何を持っているか、体がどこを向いているか、目の前に何があるか、どんな様子か、などなど情報を集めて、自分がどこにいて、何をしているのかを推理する必要がありました。(大袈裟に聞こえるかもしれませんが、実際そうだったのです)

コーヒーを入れている最中にも、時々記憶が飛んでました。そんなときは辺りを見回して、コーヒーを入れている途中だということがわかったら、手順のどこまで進んでいるかを推理します。普通の人にとっては簡単な推理だと思いますが、当時の私はしょっちゅう失敗してました。

あるときのこと、コーヒー・カップの上にコーヒー・ドリッパーを置いたところで記憶が飛んだようです。辺りを見回して、次はコーヒー豆を入れる手順だと思ってサーっと入れたところ、いつもと音が違います。おかしいな、と思いながらもお湯を入れると、やっぱりいつもと音が違います。よくよく見ると、ペーパー・フィルターをまだ置いてませんでした。これは2〜3回やりました。

そんな笑い話のような失敗をいくつも重ねるうちに、観察項目が少しずつ増えていって、だんだんと失敗がなくなっていきました。また、ありがたいことに段々と記憶が飛ぶ頻度が低くなっていきました。お蔭様で、最近は大きな失敗はありません。(ただし、手順がとろくさくなる程度のミスは今もよくあります、例えばお湯を沸かし忘れていたりとか…)

今日、コーヒーの準備をしながら、当時のことを思い出して懐かしくなりました。

(傍目にはあり得ない困ったことのように思えても、意外と当人は楽しんでいたりします…笑)