法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

怒りの感情は心のデバッグを促すアラート

(1)怒りの感情の原因

昨日の続きになりますが、怒りの感情の原因は、大きく分けて2種類ありました。

ひとつは、相手の中に自分の嫌いなところを見たときでした。もうひとつは、自分でこしらえたハリボテ(これが現実だ!と思い込んでいる空想世界)が攻撃されたと感じたときでした。


(2)後付けされた偽の理由

どちらの場合も、怒りの感情は潜在意識のどこかから上がってきます。その際、潜在意識のどこかで、怒りの感情の理由も付加されるようなのです。あくまで後付けの理由なので、本当の原因ではありません。

後付けされた理由は、大概、道徳的・倫理的な善悪正邪の判定が伴っているようです。例えば、「俺様は圧倒的に正しくて、あついが文句なしに悪い」というようなストーリーです。さらに、怒りの感情を正当化して、「俺様は激しく怒っているので圧倒的に正しくて、あいつは俺様を激しく怒らせたぐらいだからとんでもない悪党だ」のようなストーリーになることもあるようです。


(3)本当の原因は自分の心の内側にある

しかし本当の怒りの原因は、相手の中に自分の嫌いなところを見たときか、自分でこしらえたハリボテ(これが現実だ!と思い込んでいる空想世界)が攻撃されたと感じたときでした。

したがって、怒りの感情に対する正しい対処方法は、自分が嫌いという感情をなくしていったり、ハリボテを事実に合わせて修正したりすることであるはずです。

ところが、潜在意識のどこかで付加された怒りの理由に惑わされる人が多いように思います。そして、自分の怒りを鎮めるために他人を責めたり、他人の言動を修正したりしようとするようです。

しかしそれでは、怒りの感情の本当の原因を取り除くことはできません。そのため、怒りの感情がしょっちゅう湧き上がってくる状態から抜け出すことができず、苦しみから抜け出すこともできません。


(4)本当のデバッグ対象は心の内側

怒りの感情を小さくしたり消していったりするためには、怒りの本当の原因を小さくしたり消していったりする必要があります。そのためには、怒りの感情は自分の心の中をデバッグすることを促すアラート信号だと捉えることが重要ではないかと思います。

道徳的・倫理的な善悪正邪の判定は、怒りの感情と切り離して、別途考えるべきだと思います。同様に問題の解決についても、怒りの感情と切り離して、別途冷静に考えるべきだと思います。

怒りの感情の本当の原因は、自分の外側にあるのではなく、自分の内側にあります。そのことに気付くことが、苦しみから抜け出したり、もつれにもつれた問題を解決したりするための、重要なポイントではないかと思います。