法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

怒りと貪り

考えてみると、怒りは排除の方向性、貪りは奪取の方向性、と真逆の方向性を持っています。

ということは、もしかしたら、怒りの感情の原因と、貪りの感情の原因は、真逆の方向性を持っているのかもしれません。

以前この日記に書いたことの再掲となりますが、怒りの感情の原因は、大きく分けて2種類ありました。

ひとつは、相手の中に自分の嫌いなところを見たときでした。この場合は、自分の嫌いなところを直視したくないので、まったく別の事象を、あたかも怒りの原因であるかのようにでっちあげるのでした。逆の方向性を考えてみると、自分の嫌いなところを覆い隠してくれる何かを見つけたときには、貪りの感情が湧いてくるのかもしれません。

もうひとつは、自分でこしらえたハリボテ(現実だと思い込んでいる空想世界)が攻撃されたと感じたときでした。この場合は、ハリボテに対する攻撃がそのまま怒りの対象になることが多いように思います。逆の方向性を考えてみると、既存のハリボテを補強するものや、新たに立派なハリボテをこしらえるための材料になるものを見つけたときには、貪りの感情が湧いてくるのかもしれません。

また、不安の感情についても、ハリボテが関係してました。不安の感情は、ハリボテが内部から崩壊しそうなときに起きるのでした。一歩進めて考えると、強い恐怖心は、ハリボテが崩落したと感じたときに起きるのかもしれません。PTSD は心の中で世界の崩落と消滅を強く感じたときに起きるのかもしれません。いずれも、心の中の大きな傷と結びついた感情ではないかと思います。

このように、怒りや貪りの感情の根本的な原因は、自分の中の嫌いなところと、自分でこしらえたハリボテにあるのかもしれません。また、不安の感情の原因は、自分でこしらえたハリボテにあるのかもしれません。

以上が、今日の考察の中で立てた仮説です。生まれてこのかたの体験や観察をいろいろと思い出しながら、仮説のブラッシュアップをしていきたいと思っています。