法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

良寛さんの災難をのがるる妙法を読んで

(1)良寛さん

良寛さんは大地震に見舞われた大切な友人宛の手紙に、次のように書いたそうです。

「災難に逢う時節には災難に逢うがよく候、死ぬる時節には死ぬがよく候、是はこれ災難をのがるる妙法にて候」

良寛さんが意図することは私にはわかりません… しかしこれを読んで次のようなことを思いました。


(2)我が子

仏教の因果の法則によると、『因』が『縁』を得て『果』を生じるそうです。これを「一人称」の視点で書くと、次のようになるのではないかと思います。

  1. 私の中に『因』があるからこそ、目の前に『縁』が現れて、化学反応を起こして『果』を生ずる。『果』は新たな『因』となり、また他者への『縁』ともなる。これが無限に繰り返されるため、あらゆる物事は瞬々刻々と移ろいゆく。

  2. すなわち、あらゆる物事は、私の中に『因』があるからこそ『果』となって現実化している。見方を変えると、あらゆる『果』は我が子である。良きことも悪しきことも、すべてを受け入れることが肝要である。何があっても浮き足立つことなく、我が子に対して最善を尽くすことが大切である。

  3. 最善を尽くしていると、やがて道は開ける。どんな幸運に恵まれても思い上がることなく、どんな不運に見舞われてもめげることなく、ただひたすらに最善を尽くしていると、やがて思いもしなかった道が開ける。

これは「七仏通誡偈」の教えに通ずるようにも思います。


(3)緊急事態宣言

報道によると、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言及び蔓延防止等重点措置が全国的に解除されたそうです。安堵しておられる方は多いのではないかと思います。

その報道を見て、良寛さんの言葉を思い出しました。良寛さんの言葉を見て、因果の法則を思い出しました。そして今日の作文を書きました。良寛さんの意図とはまったく関係のない、私自身宛のメッセージでもあります(笑)


〔参考〕七仏通誡偈

「悪しきことをなさず、善いことを行い、自己の心を浄めること、これが諸仏の教えである」(中村元訳『法句経』より)

「諸悪莫作(しょあくまくさ)、衆善奉行(しゅぜんぶぎょう)、自浄其意(じじょうごい)、是諸仏教(ぜしょぶっきょう)」(漢訳)