法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

学者の本、どっぷり浸かってきた人の本

インド発祥の考え方(仏教を含めたインド哲学とその末裔)は、私にはとても興味深いです。そこで、図書館で関連書籍を時々借りています。何十年にも渡ってどっぷりと浸かってきた人たちの本は、とても興味深く読むことができます。一方、学者が書いた本は、事実関係を書いた部分には興味を惹かれる記述が多く見られますが、思想内容を紹介する部分はいまいち惹かれません…

学者は現存する文献を重視します。そして、当時の文化に関する知見を元に文献を読み込んで、学会の常識的視点(おそらく欧米的色彩の濃い視点)に基づいて考察して、哲学的に理解しようと試みているように思われます。この姿勢は、もしかしたらアカデミズムによる聖書研究から継承したものかもしれません。教義にどっぷり浸かった教会組織による神学研究とは一線を画すための研究手法として生み出された姿勢かもしれません。

見方を変えると、学者は過去の修行者をブラックボックスとみなして、文献等を通して彼らの思想を解明しようとしているのではないかと思います。それに対して、どっぷり浸かっている人たちは、自分たちの知見をそのまま伝えようとしているのではないかと思います(自分自身の知見は見通しがきくのでホワイトボックスと言えると思います)。

どちらの視点を好むかによって、どちらの著作を興味深く感じるかが変わるのではないかと思います。私はいつも「一人称」(当事者)の視点に興味を惹かれるので、どっぷり浸かった人たちの本に惹かれるのだと思います。