法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

根本から思い出す

(1)ラディッシュ

野菜には、葉を食べるもの、根を食べるもの、茎を食べるもの、実を食べるもの、花を食べるものなど、様々な種類があるそうです。例えばジャガイモは茎、サツマイモは根を食べるそうです。ダイコンは大部分が根ですが、葉に近い部分は茎に分類されるそうです。

日本語のダイコン(大根)は文字通り『根』が語源ですが、ヨーロッパ原産のラディッシュ(radish)もラテン語の『根(radix)』が語源だそうです。


(2)ラディカル

同じくラテン語の『根(radix)』を語源とする言葉に「ラディカル(radical)」があるそうです。

本来は「根本的な」という意味のようですが、18世紀末頃から(=200年余り前から)「根本的な改革」というニュアンスを持つようになり、さらに踏み込んで「急進的」「過激」という意味にも使われるようになったそうです。

「根本的な改革」を主張する人たちは、現状は根腐れしているので一刻も早く総入れ替えすべき、と考えているのではないかと思います。一方で「根本的な改革」は不要と考えている人は、根っ子は健全なので取り替えるべきは枝葉だ、と考えているのではないかと思います。

両者の主張を理解しようと思ったら、現状に対する「根本的な理解」が必要になると思います。


(3)主張と共感

ところで、主張の仕方は人によって様々です。

  1. ある人たちは自分たちの望む結論がまずあって、結論に合う噂話を散りばめて話をします。そうすると、結論に共感する人たちの心に届くようです。結論や噂話が事実と合致するかどうかにはあまり興味がないようです。

  2. 別の人たちは、自分たちの信条がまずあって、その信条に合うかどうかで話をします。そうすると、信条に共感する人の心に届くようです。信条の正当性についてあまり突き詰めて考えてない方もいらっしゃるように思います。

  3. また別の人たちは、自分たちの怒りがまずあって、その怒りの解消を求めて話をします。そうすると、怒りに共感する人の心に届くようです。怒りの性質について、心理学的な観点から突き詰めて考えている方は少ないかもしれません。

他にも様々なタイプがあることと思いますが、いずれも「共感」がキーワードではないかと思います。主義主張は異なりますが、何に共感して欲しいか、何に共感してもらいやすいかに重きを置いている点では同じではないかと思います。

仮に「共感」がキーワードであるならば、逆に共感し合えない人たち同士で「根本的な理解」を共有することは可能でしょうか?


(4)根本を思い出す

理屈や感情では共感し合えない人たち同士で「根本的な理解」を共有しようと思ったら、すべての人間に共通するものをベースに話をするしかないのではないかと思います。

その要素とは「こころ」ではないかと思います。あるいは「いのち」ではないかと思います。理屈や感情よりも深いところにある根本的な「こころ」、肉体よりも深いところにある根本的な「いのち」、それらをベースに話をすることができたなら、すべての人が深く理解し合えるのではないかと思います。

もしかしたら、古代から伝わる社会(先住民と呼ばれている人たちの社会)ではこれらを大切にしているのではないかと思います。あるいは、古代から伝わる叡智はこれらを大切にしているのではないかと思います。ただ、現代人が忘れているだけではないかと思います。

もしもそうだとすると、大切な忘れ物を思い出すことができたなら、人々はより深く分かり合えるようになり、貴重なものでも分かち合えるようになるのではないかと思います。世界平和のためために必要なのは、共通の忘れ物を見つけることなのかもしれません。