法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

「山川草木悉皆成仏」と梅原猛、宮沢賢治、安然、大般涅槃経

「山川草木悉皆成仏」は私の好きな言葉のひとつです。初めて聞いたときに心に深く刻まれました。

やがてこの言葉は日本生まれだと知りました。そして最近になって、産みの親/育ての親は梅原猛だと知りました。下記論考にその経緯が詳しく書かれてました。「1970年代の後半くらいから梅原によって広められたようである」とのことです。あっという間に人々の心を掴んだようなので、今風に言えば優れたコピーライターだったんだなと思います。

ただし、同じような表現や思想はそれ以前からあったようです。


例えば、宮沢賢治の1918年(大正7年、22歳頃)の書簡に、次のような表現があるそうです。下記論考 p.75 に転載されてました。

「一人成仏すれば三千世界山川草木虫魚禽獣みなともに成仏だ」

「わが成仏の日は山川草木みな成仏する」


また「草木国土悉皆成仏」という言葉は平安時代から広く使われているそうです。室町時代に始まる能でもよく使われているそうです。確認されている最古の文献は9世紀後半、日本天台宗安然による『斟成草木成仏私記』だそうです。


大乗経典の「大般涅槃経」には「一切衆生悉有仏性」と説かれているそうです。「一切衆生」の捉え方が時代により、地域により、変遷していったのかもしれません。なお、「大般涅槃経」が成立したのは4世紀頃と考えられているそうです。


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