法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

貧乏神「ボンビーくん」

昔々のこと、「桃太郎電鉄」というゲームにハマった時期がありました。双六のゲーム機版で、日本全国を鉄道で巡りながら物件を買い漁って総資産を競うゲームでした。今から思うとバブル期の名残を感じる設定でした。

目的駅を目指してみんなで駒を進めて、一番に到着した人にご褒美があるのですが、その時点で目的地から一番遠くにいる人には貧乏神「ボンビーくん」が取り憑くようになってました。目的駅は次々と変わっていくので、「ボンビーくん」に取り憑かれる人も次々と変わっていきます。他の人を追い越せば、「ボンビーくん」を押し付けることもできました。

この「ボンビーくん」、頼みもしないのにいろいろとお節介を焼いてくれます。「○○さんのために、□□を△△円で売ったのだ〜♪」と誇らしげに報告してくれるのですが、もちろんいつも大損です(涙)。「ボンビーくん」は良いことをしていると信じているらしく、一所懸命にお節介を焼いてくれるのですが、その度に大損です(涙)。毎回、泣きたい気持ちになってました。(もちろんゲームですから本気では泣きませんよ…笑)

あれから時は流れ、どんなゲームだったか細かいことはすっかり忘れてしまいましたが、貧乏神「ボンビーくん」のことだけは強烈に印象に残っています。


この「ボンビーくん」、世間のあちこちに潜んでいるように思います。何かの拍子に誰かのことを可哀想な人だと思い込んで取り憑いて、いろいろと空想をたくましくしてはお節介を焼いて、何をやっても裏目に出るのをいつも他人のせいにして、「あの人のためにこんなに頑張ってるのに全然わかってもらえない」と嘆いて回って、、取り付いた人の足を散々引っ張った挙句、社会的信用まで落としてしまう。取り憑かれた人から見ると貧乏神なのに、傍目には天使に見えてしまう。。そんな人いませんか?


「ボンビーくん」の特徴としては、(1)空想がたくましくて、事実を軽視したり無視したりする。(2)自分のことを凄くて正しいと信じていて、他人のことを駄目人間だと思って見下す。(3)自分のことを信頼してくれる人としか話をせず、反対意見は無視したり敵対したりする。(4)自分は絶対的に正しくて、いつかはみんなに分かってもらえると信じている。などが挙げられると思います。言い換えると、賛同者とだけ仲良くして、それ以外の人をぞんざいに扱う傾向があるように思います。お節介を焼く相手のことすらぞんざいに扱います。

そんな「ボンビーくん」が組織内で重用されると大変なことになります。まず、真っ当な意見を言う実力のある人が冷遇されて、従順な忖度人間ばかりが重用されるようになります。やがて強力な「上意下達」体制が敷かれ、異論は徹底的に排除されるようになります。そして、あらゆる功名は強者のものとなり、あらゆるしわ寄せは弱者のもとに行きます。傍目には完全な独裁体制です。しかし、そのような状態こそ「ボンビーくん」にとっては、自らの世界観を具現化した素晴らしい組織なのです。

そのような組織は日本中の至る所にあるのではないかと思います。大きさを問わず、種類を問わず…。かの巨大な行政組織ですら「ボンビーくん」の集団に取り憑かれているのではないかと思わずにはいられません。そして今、「ボンビーくん」好みの「上意下達」体制を完成させるために、何がなんでも実効力ある緊急事態宣言をしようと必死になっているのではないかと思います。それを阻止しようと奮闘している陣営ですら、「ボンビーくん」に取り憑かれているかもしれません。「ボンビーくん」の蔓延ぶりは目を見張るものがあります…


私は論争に加わるパワーを持ち合わせていないので、視点を変えて「ボンビーくん」のいない世界を目指したいと思っています。そのためにはまず私自身から「ボンビーくん」の要素を捨てていかねばなりません。人様に意見できる状態になるために。。先は長い…