法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

著者の意図

読書というのは本当に面白いもので、著者が投げたボールを、読者がどんな風にキャッチするかによって、受け取る内容が大きく変わります。

例えば、自分の捕球動作だけに意識を集中していると、著者の意図に思いを馳せることができなくて、自分の世界に無理矢理押し込めた形で受け取ることになります。しかし、著者の投球コースや球種に意識を向けると、著者の意図が多少なりとも見えるようになります。さらに配球パターンにも意識を向けると、著者の意図がより深く見えるようになります。

これはあくまで一般論ですが、著者にとって当たり前のことは、文章には書かれていません。また、著者が想定する読者に向けて書かれていたり、著者が得意とする配球パターンで書かれていたりします。そのため、著者と読者の相性によって、伝わり方が大きく変わります。

したがって、様々な著者の意図をどのくらい深く読み取ることができるかは、読者の腕の見せ所ではないかと思います。同様に、様々な読者に向けて著者の意図をどのくらい深く届けることができるかは、著者の腕の見せ所ではないかと思います。

残念ながら、私は腕にまったく覚えがないので(笑)、著者の意図をなかなか読み取ることができないでいます。そのため、たまに少しばかり著者の意図が見えてくると、とても嬉しくなります。著者の意図を多少なりとも受け取ることのできる読者になりたいものだと思います。