法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

用語選び

(1)抽象的な本

私もたまには抽象的な内容の本を読むことがあります。

日本人が日本語で書いた本であれば、用語から概念を推測したり、行間から著者の意図を読み取ったりすることが、比較的容易にできることが多いです。もちろん勝手解釈である可能性が高いですが(笑)、私なりに得るものがあればOKだと思っています。

ところが翻訳書の場合、著者の意図がまったく分からないことがよくあります。そのような場合は、原書における用語をあれこれと推測したり、著者の頭の中のイメージをあれこれと推測したりしながら、うんうん唸ることになります(笑)


(2)翻訳書の用語選び

2年前にまったく歯が立たなかった翻訳書を、このところ少しずつ読み返しています。原書は英語で、内容が抽象的なので、ところどころ原書での用語を推測しながら読まなくてはいけません。しかしありがたいことに、今年は多少なりとも著者の意図を推測しながら読むことができています。原書を入手して、わかりにくいところだけでも原文にあたるようにすれば、もう少し読みやすくなるかもしれません。(そこまでのパワーは有りませんが…笑)

翻訳家の立場で考えてみると、原書で使われている用語ひとつひとつについて、日本語での適切な訳語を選ぶ作業は、とても難しいんだろうなと思います。例えば、抽象的な意味を持つ英単語があるとして、それとまったく同じ意味を持つ日本語の単語を見つけることはほぼ不可能だと思います。どんなに正確に選んだとしても、単語が意味する範囲やニュアンスが異なるからです。かと言って、カタカナ表記にすると、英単語の意味する範囲を正確には知らない人にとっては、意味不明の文章になってしまいかねません。どこかで妥協点を見つけないといけません。そんな風に考えてみると、訳語選びは翻訳家の腕の見せ所なんだろうなと思います。


(3)独自の用語選び

独自の概念に用語を割り当てる作業でも、翻訳家と同じような苦労があります。私は用語選びが下手なので、二転三転どころか、八転九転してしまいます(笑)。

しかし視点を変えると、適切な用語を選ぶのが難しい一番の原因は、それぞれの概念について、適切な定義ができてないからかもしれません。言い換えると、考察が不十分で曖昧さが残っているからかもしれません。

翻訳作業と違って、自分自身で考察を深めていくことができるところに、解決の糸口があるかもしれません。とりあえずその線で進めてみようと思います。