観念と感情と記憶
これまでに見つけた〈怒り〉の原因と発生条件は、観念的なものと感情的なものに分類できるように思います。
《原因》 | 《条件》 | |
---|---|---|
観念的 | 《信念世界》に反する言動 | 《上下感》 |
感情的 | 《自己否定》の心傷への刺激 | 《内外感》と《一体感》 |
さらに細かくみると、感情的なものは次のふたつに分類できるように思います。
- 自己を中心とした感情を司る部分(《自己否定》と《内外感》)
- 自他一体感に基づく感情を司る部分(《一体感》)
また、これまでの探察から、〈怒り〉の発生過程においては、大部分の処理が潜在意識で行われて、顕在意識は結果を受け取るだけだということがわかりました。おそらく、顕在意識の役割は記憶と考察くらいではないかと思われます。
階層構造
以上より、意識は階層構造になっていると推測しています。意識の表層に近いところから順に並べます。
名称 | 役割 |
---|---|
《顕在自我》 | 記憶と考察を司る |
《潜在表我》 | 《信念世界》に基づく判断と反応を司る |
《潜在個我》 | 自己を中心とした感情(心傷や我欲など)を司る |
《潜在奥我》 | 自他一体感に基づく感情を司る |
なお、名称は本稿の造語です。顕在意識に属するものは「顕在」で始まり、潜在意識に属するものは「潜在」で始まるようにしています。
〈怒り〉との関係
意識の各階層と、〈怒り〉の原因および発生条件との対応関係は、次のようになっています。
名称 | 《原因》 | 《条件》 |
---|---|---|
《顕在自我》 | ||
《潜在表我》 | 《信念世界》に反する言動 | 《上下感》 |
《潜在個我》 | 《自己否定》の心傷への刺激 | 《内外感》と 《一体感》が《分離》 |
《潜在奥我》 | 《一体感》が《一体》 |
この表から、〈怒り〉に関係するのは《潜在表我》と《潜在個我》であることがわかります。
まとめ:意識の階層構造
意識は階層構造になっていると考えられるように思います。
意識の表層に近いところから順に並べると、顕在意識は《顕在自我》からなり、潜在意識は《潜在表我》《潜在個我》《潜在奥我》からなるようです。(用語は本稿の造語です)
〈怒り〉に関係するのは《潜在表我》と《潜在個我》です。