法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

自分の鏡

今回も潜在意識の働きのお話です。


(1)人を見る

多くの人は、他の人を見るときに、まずは自分との上下関係を見定めているのではないかと思います。上下関係の判定には、学歴、職歴、肩書、家柄、性別、服装、持ち物、財産など外形的なこと(おそらくコンプレックスの対象)が用いられるように思います。

その結果によって、見上げたり、見下したり、同等と思ったりしているのではないかと思います。そして、見上げる人には自分のプラス・イメージを被せて、見下す人には自分のマイナス・イメージを被せます。同等の人は、普段着の自分のイメージを被せて気を許します。

自己否定の強い人は、見上げたり見下げたりする角度がとても大きくなる傾向にあります。


(2)キャラ設定

その場にいる人たちの上下関係がはっきりしていときは、その場で一番格上の人が、その場にいる人のキャラ設定を決めます。一番格上の人が抱くイメージがベースとなって、お気に入りの人たちの顔を潰さないように微調整した上で、それぞれの人のキャラ設定が決まります。

そのため、その場で格が高い人ほどイメージのよい配役をもらって、格が低い人ほどイメージの悪い配役をもらうことになります。

一番格上の人が自己否定がとても強い人であった場合、自分をとても偉大な人物に仕立てて、お気に入りの人たちにも相当の配役を与えると同時に、お気に入りでない人たちにはとんでもない配役を与えることがよくあります。

そうやって決められた配役は、お気に入りの人たちには知らされますが、お気に入りではない人たちには知らされることはありません。そのため、格下の人たちは、理由がわからないまま、ぞんざいに扱われることになります。ときには四面楚歌の村八分状態に置かれることもあります。


(3)所有欲

また、自己否定の強い人ほど、見下している人たちのことを自分の欲望をかなえるための道具だと考える傾向が見られます。なかには「お前の人生も財産も生命も俺のものだ」「すべてを捨てて俺様の奴隷となって働くことこそがお前にとって最高の幸せだ」と当然のことのように考えて、手段を選ばずそれを実現しようとする人もいます。

逆に格上の人には一所懸命に尽くそうとするようです。ただし、格下の人に対する要求よりも緩い内容である場合が多いようです。


(4)鏡

こういった判断は、すべて潜在意識のどこかで行われて、その結果が顕在意識に伝えられます。顕在意識はそれを鵜呑みにするだけです。また、その判断結果は「信念世界」に書き込まれることが多いようです。そのため、怒り・不安・貪りといった感情のもとになります。

すなわち、私たちは周りの人たち一人一人のことを見ているようでいて、実は自分のイメージを被せて見ているのではないかと思います。言い換えると、他人を見ているようでいて、実は自分自身の様々な側面を見事に映し出してくれる鏡を見ているのではないかと思います。

そのため、自己否定が強ければ強いほど、周りの人たちがとんでもなく悪い人に見えてしまうのではないかと思います。逆に、周りの人たちを本当の意味で平等に見ようと思ったら、自己否定をすっかり無くしてしまう必要があるのではないかと思います。