法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

これまでに見かけた抗体検査の記事

COVID-19 の感染状況を調べるために、世界各地で抗体検査が行われています。そこで、これまでに見かけた記事の一覧を以下に作成しました。

  • 各調査で利用された抗体検査の精度を存じ上げないのですが、場合によっては数値を補正して考えないといけないものもあるかもしれません。また、超過死亡が発生している(死亡数が例年の傾向の範囲を越えている)地域では、COVID-19 による実際の死者数が公式統計より多い可能性が考えられると思います。

  • 免疫には自然免疫と獲得免疫があるそうです。自然免疫で撃退できた場合には抗体は獲得せず、自然免疫を突破された場合にのみ抗体を獲得すると理解しています。自然免疫で撃退した人たちを感染者数に含める場合は、その人数を推定して、抗体検査の陽性者数に加算して感染率を計算する必要があるのではないかと思います(推定可能かどうかはわかりません)。

  • 下記記事の結果から、実際に感染歴のある人は、PCR検査による公式感染者数より桁違いに多いと考えられます。特に日本はPCR検査数が極端に少ないので、実際の感染者数・死亡者数との乖離は極端に大きいのではないかと思います。したがって、公式感染者数を元に、一喜一憂したり、対策を立てたり、出口戦略を検討したりしても、ほとんど意味がないのではないかと思いました。

  • 日本でも抗体検査を定期的に行って、累計感染者数の推定値を把握しておく必要があると思います。より的確な政策を立てるためにも、より適切な生活を送るためにも、必要な調査だと思います。


日本の抗体検査(日付順、1件だけPCR検査)

神戸市立医療センター中央市民病院

4/7(火)までの8日間に外来を受信した患者1000人を対象に抗体検査、33人が陽性。神戸市全体の性別や年齢の分布に合わせて計算すると、神戸市人口の2.7%にあたる約4万1千人に感染歴があった可能性がある。(公式感染者数の数百倍)

慶應義塾大学病院PCR検査)

4/13(月)〜4/19(日)、患者67人に対して手術前や入院前に感染しているかどうか調べるPCR検査を実施、4人(6%)が陽性。(抗体検査ではなく、PCR検査)

大阪市立大学附属病院

4月下旬の2日間、外来受診者から312人を無作為抽出して抗体検査、3人(1%)が陽性。抗体陽性率の95%信頼区間は0.33〜2.8%。

ナビタスクリニック立川&新宿(久住英二医師)

4/21(火)〜4/28(火)、ホームページで希望者を募り、20~80歳の男性123人、女性79人に抗体検査したところ、一般市民7人(4.8%)、医療従事者5人(9.1%)が陽性。全体では12人(5.9%)が陽性。


米国の抗体検査(日付順)

カリフォルニア州サンタクララ郡

4月初めの時点で感染率2.5〜4.2%(公式感染者数の50~85倍)、致死率0.1〜0.2%。

カリフォルニア州ロサンゼルス郡

4/10(金)〜4/11(土) に住民約1000人に対して抗体検査、4.1%が陽性(公式感染者数の28~55倍)。

ニューヨーク州

4/20(月) から検査、4/23(木) 発表。州内40ヶ所、18歳以上の3000人の抗体検査、13.9%が陽性。公式感染者数の約10倍の可能性、致死率は約0.5%の計算となる。地域別では、ニューヨーク市内では21.2%、農村地帯が多い州北部では3.6%。人種・民族別では中南米系と黒人が22%台、白人は9.1%。


ドイツの抗体検査

ガンゲルト

3/30(月)〜4/6(月) にドイツ・ガンゲルトで無作為抽出した405世帯919人に対して抗体検査、138人(15%)が陽性。死者は7人なので致死率は0.37%。無症状は22%。


スペインの抗体検査

スペイン全体

4月下旬に6万人に対して抗体検査、陽性は5%。(人口4700万人なので単純計算すると235万人、PCR検査による感染確認者数約23万人の約10倍)〔追記: 2020-05-14〕


超過死亡

東京

2020年第8〜13週に超過死亡が発生している。

米国全体

超過死亡数に注目すると、実際の感染死者数は、公式統計より多い可能性がある。

米国ニューヨーク市

米国 CDC は、ニューヨーク市の公式集計よりも数千人多い可能性があると報告した。〔追記: 2020-05-12〕

世界全体

下記記事によると、世界全体で公式統計よりも少なくとも7万1千人が亡くなっている可能性がある。〔追記: 2020-05-12〕