法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

道元禅師(著)「普勧坐禅儀」

この2〜3日、道元禅師が書かれた「普勧坐禅儀」を読んでいます。

道元禅師鎌倉時代初期の僧侶で、永平寺で有名な日本曹洞宗の開祖です(ご本人は『開祖』と呼ばれることを望んでなかったことと思いますが…)。「普勧坐禅儀」は道元禅師が南宋での修行から帰国して初めて書いた文書だそうです。原文は中国語(おそらく道元禅師が留学先で使っていた言葉)で、一般にはその訓み下し文が読まれているようです。書名が示す通り坐禅を広く勧める文書で、要点がとても簡潔にまとめられていると思います。

実は数年前に斜め読みしたことがあるのですが、当時は内容がさっぱり分かりませんでした(笑)。先日改めて読んでみたところ、お蔭様で多少なりとも得るものがありました。そこで繰り返し読み返しています。

改めて読んでみて、やはり坐禅は心の活元運動なんだと思いました。したがって坐禅の際に様々な思いが浮かんでくるのは必然なんだと思います。坐禅の際は、それに逆らうことなく溺れることもなく、浮かんでくることをただ眺めていればよいのだと思いました。

私の勝手解釈では、「普勧坐禅儀」は、(1) 仏道の神髄、(2) 坐禅の作法、(3) 坐禅の心得、(4) 坐禅の勧め、という流れで書かれているように思います。道元禅師が留学で得た仏道のエッセンスが、余すところなく簡潔に説かれているのではないかと思いました。

「普勧坐禅儀」は南宋の言葉(もしくはその訓み下し文)ですので、私のような一般人がいきなり読んでもなかなか意味がわかりません。幸いにして現代語訳がインターネット上に多数公開されていますが、あくまでも翻訳者による解釈をベースとした現代語ですので、道元禅師の意図と必ずしも一致しているとは限りません。実際、現代語訳の内容は人によって大きく異なります。そのため現代語訳は「このような解釈方法もありますよ」という参考程度に眺めて回るのがよいように思いました。ひょっとしたら、広く親しまれている訓み下し文すらも参考程度に捉えた方がよいかもしれません。

ですから、最終的には原文なり訓み下し文なりを自分自身の解釈で読まないといけないと思います。実際、勝手解釈ながら訓み下し文を読んでみると、とても得るものがありました。約800年の時を経てもなお大切に読み継がれる文書には、それだけの価値があるんだなと思いました。

《参考文献》