法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

頭の中のルールの塊をデバッグする

昨夜から、なんとなく昔のことを色々と思い出しています。私は小学校高学年の頃から非言語思考に移行したからでしょうか、概念的な理解を重視して、用語的なことを軽視するするクセがあります。私のようなタイプは、もしかしたら世の中的には少数派かもしれません。


(1)ルールの塊

では、どのようなタイプが多数派か、生まれてこのかたの経験を元に考えてみました。

例えば、「○○ならば□□である」のようなルールをたくさん覚えて、何かあるたびにルールを適用して、事態を理解したり対処方法を決めたりしている。そんな人は多いのではないかと思うことがあります。

そのような人にとっての勉強とは、「○○ならば□□である」というルールをたくさん覚えることではないかと思います。あるいは「○○ならば□□である」というルールをたくさん想像することかもしれません。

そのような勉強方法は、私から見るとプログラミングに似ているように思います。プログラミングとは極端に言えば、「○○の場合は□□を実行する」という命令文の塊を作ることだからです。

そのように考えると、ルールをたくさん覚えれば覚えるほど、バグの危険性が出てくるように思います。間違ったルールを覚えているかもしれませんし、矛盾したルールがあるかもしれませんし、ルールの適用方法を間違えることもあるかもしれません。

また、想定外の入力に対して適切な出力を得られるかどうかも気になります。万一、想定外の事態(入力)に対して適切なルールが見つからない場合、デフォルトの処理が行われることになると思います。それがひょっとしたら、自分自身や身内に対する根拠のない「不安」や、他人に対する根拠のない「礼賛」や「軽蔑」といった感情(出力)を生み出しているのかもしれません。

そんな風に考えると、判断ミスも「不安」も「礼賛」も「軽蔑」もみんな、一所懸命に勉強して身につけてきたたくさんのルールのバグの現れなのかもしれません。仮にそうだとすると、デバッグが必要だと思います。


(2)納得の条件

もうひとつ、プログラミングとして考える場合は「停止条件」も必要です。平たくいうと、どのような場合に「結論がでた」と判断するかです。

それはひょっとしたら、「納得した」と思ったときかもしれません。

しかし、「納得した」と思う条件は人によって違うのではないかと思います。例えば、あらゆる観察結果や実験結果を正確に説明できるときに「納得した」と思う人。あるいは、自分の信念に合致する結論が得られたときに「納得した」と思う人。はたまた、「俺様はエライ、あいつはバカだ」というストーリーを描けたときに「納得した」と思う人。

不適切な「停止条件」を心の内に持っている人は、好ましくない事実を無視したり、記憶を書き換えたり、空想で話を膨らませたりせざるを得ないことが多いと思います。その結果、事実とは大きく異なる結果を得ることになり、誤ったルールを心にたくさん抱くことになるのではないかと思います。

従って、「停止条件」もデバッグの対象だと思います。


(3)噂話の結論

噂話には私はあまり参加したことがありませんが、どうやらみんなして「ああではないか」「こうではないか」と話し合って、みんなが「納得できる」結論を導こうとしているようです。時には声の大きな人による鶴の一声で決まることもあるようです。そして、当人に対する事前取材も事後確認もなく、噂話の結論が決まっていくようです。(違っていたらすみません)

多くの場合、噂話は当人の耳には入りません。仮に部分的に耳に入ったとしても、当人には噂話の結論をひっくり返す権限はありません。当人に残された選択肢は、噂話の結論に従うか、誤解が解けるまで四面楚歌に耐えるか、コミュニティーから去るか… いずれにしても、災害に遭遇したような気持ちで向き合うことになると思います。

このような状況になりがちなのは、噂話方式のバグだと思います。噂話もデバッグが必要だと思います。


(4)デバッグ

デバッグの基本は、全体構造の整理整頓と、ひとつひとつのルールの吟味だと思います。(学びの多い人ほど、日常的なデバッグが必要になると思います)

ルール全体の構造が複雑な場合は、シンプルな構造に書き換えた方が、見通しが良くなってデバッグが楽になると思います。構造がシンプルになると、ルールの汎用化が容易になって、ルールの数をグッと減らせる可能性が高くなります。また、見通しが良くなると、間違ったルールを見つけやすくなりますし、ルールの適用ミスも見つけやすくなります。

ルールの構造がシンプルで、ルールの数が少なくなると、脳機能が衰えてからでも問題なく生きていくことができると思います。若いうちから生き方の基本をシンプルにしておくと、楽な気持ちで生きていけるんじゃないかな… (などと希望的観測をしてます…笑)