法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

怒鳴り散らしている人は、本当は今にも心が潰れそうな人かもしれない

(1)怒鳴り込む

何年か前のこと、ある人物が怒鳴り込んできました。憤怒の形相で、体を左右に揺すりながら、腕も大きく動かしながら、時々足を大きく踏み鳴らしながら、顔と顔がピッタリくっつく距離で、怒鳴ってました。

幸か不幸か、私は聞き取り能力が低いので、バーっとしゃべられてもよくわからなくて、聞き取れた単語と、全身から発する雰囲気から、話の内容を推測する習慣のある人でした。すると、確かに勢いよくしゃべっているのですが、腰が引けていたり、すぐに目が泳いだりで、本心ではビビっているように見えました。話にも内容はありませんでした(いわゆるいちゃもんでした)。そこで逆上させなければ平気だろうと思って普通に応対しました。彼は彼なりに工夫を重ねたようですが、私がビビらないので、結局すごすごと帰って行きました。

噂では、彼は詐欺と脅迫を繰り返す習性のある人とのことなので、あのような行為をあちこちで行っていたのかもしれません。あるいは今も行っているのかもしれません。私のようなボケ症状のある人を黙らせることは赤子の手をひねるより簡単だろうと思って、自慢の脅迫をかけてきたのかもしれません。しかし私はボケすぎで、却って効かなかったようです。


(2)怒鳴って見せる

いつだったか、街中を散策していたとき、異次元空間に迷い込んだことがありました。その近くの路上で、若者が携帯電話片手に、体を大きく揺すりながら、手を大きく振りながら、足を踏み鳴らしながら怒鳴り散らしてました。2〜3m離れたところに若者が数人たむろしてました。私は気にせず、すぐ横(1〜2m横)を通り過ぎました。横を通りながら彼らの様子をチラリと観察しました。かなりの早口だったので言葉はほとんど聞き取れませんでした。

勝手な空想ですが、怒鳴り散らしていた若者はリーダーで、電話の向こうの誰かに発破を掛けていたのではないかと思います。電話口で怒鳴り散らしたり、怒鳴り散らしているところを仲間に見せたりすることが、強力な発破になる文化を持つコミュニティだったのではないかと思います。


(3)怒鳴り暴れる

発症より昔のこと、ある人物がやってきて、自分の利益ばかり主張しながら私に対して怒鳴り散らしたことがありました。暴れたのも同じときだったかもしれません(机の上のものを根こそぎ床にひっくり返されました)。

怒鳴り散らす人の体の動きはみんな似ています。私は勢いに流されない人なのか、聞き流したところ帰っていきました。(怒鳴っても駄目だとわかったのか、その後、さらに悪質になりました)


(4)心の現れ

怒鳴り散らす人たちのことを思い出してみると、もしかしたら彼らは「自分なら負けを認める」と思う行為を仕掛けているのかもしれないなぁと思います。

例えば、内心ではすぐにビビる人は、相手がビビるような行為を仕掛けるのではないかと思います。あるいは、親分子分関係を重視する人は、軍門に降らざるをえないと思わせる行為を仕掛けるのではないかと思います。そして、自分の視点で見て効果が最大になるような工夫をしているのではないかと思います。

すなわち、脅迫行為には、脅迫する人の心のうちが現れるのではないかと思います。弱者を威圧する人たち(例:威張る人、怒る人、凄む人など)も同様かもしれません。表面的な行為が異なるだけで、心理的には地続きかもしれません。


(5)着ぐるみ

ひょっとしたら、彼らは心の中が二重構造になっているのかもしれません。

表面的には、脅迫する人、威張る人、怒る人、凄む人、などなどとして怖そうに振る舞ってます。しかし内心では、自己否定の心が強い人、心に大きな傷を抱える人、今にも心が潰れそうな人、などなどで本当はビクビクしているかもしれません。

すなわち、内心はとてもネガティブで繊細な人たちが、猛烈な反動から強がってイカつい着ぐるみをまとって、怖そうに振舞っているのかもしれません。本人の意識の焦点は着ぐるみにありますが、相手が思い通りにならないと不安になって、ふと本来のネガティブで繊細な内面に向くことがあるのではないかと思います。その心の揺れが、相手に伝わることがあるのかもしれません。

彼らは、表面の着ぐるみを見つめると怖そうに見えるかもしれませんが、内面を見つめると今にも泣き出しそうになっているかもしれません。高い高いところで綱渡りしているような心細い気持ちでいるのかもしれません。表と裏では、そのくらい違っているのではないかと思います。どちらを見つめるかで、彼らの印象が大きく変わるのではないかと思います。