法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

妄想録:トランプ大統領は反対派のエネルギーを利用するのが得意なのではないか?

私はどうも、本を読んでも話を聞いても独自解釈・勝手解釈してしまうタイプのようです。国内外情勢は最近は特にあまり追いかけることができていませんが、たまに接するとどうしても私自身の観点から勝手解釈してしまいます。それで最近思うこと…

多くの政治家は賛成派のエネルギーを自らのチカラの源泉としますが、米国のトランプ大統領は反対派のエネルギーをも自らのチカラの源泉とすることが得意なのではないか、と思うことがあります。

トランプ大統領自身はおそらく、いまの米国を風船に喩えるならパンパンに膨らんで今にも破裂しそうな状態だと考えているのではないかと思います。そこで風船の空気を抜いて小さくしたい。そのため世界中に派兵されている米軍の規模を縮小したい。世界中に発注している業務(特に製造業)を米国内で受注したい。そんな風に考えているのではないかと思います。(言い方を変えると、世界の多極化を望んでいるのではないかと思います)

そのようなときには、多くの政治家は自らの意見をストレートに広く訴えて、賛成派のエネルギーを結集しようとします。ところがトランプ大統領は、自らの考えと真逆の発言をすることが多いのではないか、そして反対派がよい仕事をしたところで一気に本来行きたかった方向に揺り戻す作戦が得意なのではないか、と思うことが時々あります。

たとえば北朝鮮との関係では、2017年に大統領に就任して以来、北朝鮮に対して敵対的な発言を繰り返していました。一方では北朝鮮と水面下の交渉をしていたのでしょう。2018年6月にシンガポールで第1回米朝首脳会談が行われました。その後、2019年2月のハノイでの第2回米朝首脳会談は(敢えて)決裂させたものの、2019年6月に板門店で会談しています。これは、敢えて北朝鮮に対して敵対的な言動を取ることで、対北朝鮮好戦派を前のめりにさせて冷静さを失わせ、そこを戦争回避派に攻撃させて撃沈させることが目的だったのではないか(特に政府内、軍隊内、軍産複合体内で)、と見ることができると思います。トランプ大統領は、反トランプ派のエネルギーを上手に利用して朝鮮戦争終結に向かわせて、東アジアにおける米軍の規模を大幅に縮小しようとしているのではないかと思います。(その観点からは南北朝鮮が反安倍『반 아베』で一致団結するのは望ましいことだと考えているのではないかと思います)

一見、強く肩入れしているように見えるイスラエルについても、逆に敵対的な言動を浴びせているイランについても、同じような作戦を考えているのかもしれません。いずれの場合も、少数の賛成派と多数の反対派の両方のエネルギーを上手に利用して物事を進めようとしているのではないかと思います。

そういった作戦を通して、米国の軍産複合体を弱体化させようとしているのではないかと思います。ただし一気に弱らせると強硬な反撃が予想されるので、ガス抜きとして日本などに大量の武器を買わせているのではないかと思います。(かなり傍迷惑なやり方ですが…)

中国との貿易戦争についてはまだよくわかりません。米国の産業の空洞化を促進しているばかりか税金をロクに納めようともしない多国籍企業を弱体化させることが目的なのかもしれません。長期的にはグローバル貿易から地域ごとの貿易へと移行して、米国内の産業を強くしたり、米軍の海外駐留の必要性を減らそうとしたりしているのかもしれません。建前上の目的は対中貿易赤字の大幅な削減にあるようですが、高関税を課しても米国内の産業が強くならない限り事態はすぐには改善しないでしょうから(むしろ多くの企業が困るだけでしょうから)、強硬な姿勢を崩さない本当の理由は別のところにあるのではないかと思います。

トランプ大統領は反対派のエネルギーを利用することのできる稀有な才能を持っていると思います。Twitter はそのための強力なツールなのでしょう。その結果、言動が極端にブレるように見えたり、硬軟両面の駆け引きが行われているように見えたりするのではないかと思います。

反対エネルギーは破壊力が大きいので、今のような大変革期には威力を発揮すると思います。ただしあまりに荒々しくて、壊してはいけないものまで壊したり捻じ曲げたりすることは多々あると思います。トランプ大統領のやり方は傍迷惑この上ないと思っている人は世界中にたくさんいるのではないかと思います。

そこでトランプ大統領の後は、痒い所に手が届く繊細さを持ち、賛成エネルギーを上手に利用できる大統領が望まれるのではないかと思います。トランプ大統領という破壊神の後に来る創造神。次期大統領はきっと反トランプ運動から頭角を現してくると思います。ある意味で、トランプ大統領が育んだ大統領と言えるかもしれません。

こんな風に、米国は破壊と再生の過程を進んでいるのではないか、そして今は破壊過程の真っ只中にいるのではないか、そんな風に思っています。