法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

参加者の冪乗の世界を作る

1人のアイデアを1人で実行すると 1 × 1 = 1 のチカラしか出ませんが、1人のアイデアを100人で実行すると 1 × 100 = 100 のチカラとなり、1人のアイデアを1万人で実行すると 1 × 1万 = 1万 のチカラとなります。作業者の人数を増やせば増やすほどどんどんパワーアップしていきます。日本人はこのタイプのチームワークが得意なように思います。

しかし世界には種類の異なるチームワークを得意とする人たちがいます。例えば、10人が知恵を出し合って生み出したアイデアを10人で実行すると 10 × 10 = 100 の力を持ち、100人が知恵を出し合って生み出したアイデアを100人で実行すると 100 × 100 = 10000 の力を持ちます。私の印象では、欧米人(特にシリコンバレー)はこのようなチームワークが得意なように思います。

ですから、日本人は匠の技(1×1=1)は優れていても、あるいは大量生産(1×1万=1万)は得意でも、様々な分野の専門家が議論を通してひとつのものを作り上げていく(100×100=1万)ことを苦手としているのではないかしら…と思います。しかし複雑化した現代世界で求められているのは 100×100=1万 のタイプのチームワークではないかと思います。これは、日本経済が長期低迷からなかなか抜け出せない要因のひとつではないかと思います…

ところで、日本ではスーパーマンというと、1人で2人分働くような人、1 × 1 = 1 を 2 × 2 = 4 にできる人がイメージされるのではないかと思います。そのような人がリーダーになると、1 × 100 = 100 を 2 × 100 = 200 にできることと思います。足し算もしくは掛け算による総合力向上です!

しかし本当のスーパーマンは、ちょっと違う働きをする人のことではないかと思います。例えば100人のチームがあれば 100 × 100 = 10000 の力を出せるようにする人であり、人口1億人の国があれば 1億 × 1億 = 1京 の力を出せるようにする人であり、人口70億人の世界では 70億 × 70億 = 4900京 の力を出せるようにする人のことではないかと思います。そんな能力を持った人が本当のリーダーではないかと思います。冪乗(べきじょう)による総合力向上です!

そのようなわけで、本当のリーダーとは、方向性を示してグイグイと引っ張っていく人のことではなく、お互いに敬意を払いながら対話・決定・実行していけるチームを作れる人のことではないかと思います。参加者の足し算や掛け算の世界を作る人ではなく、参加者の冪乗の世界を作れる人のことではないかと思います。