法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

古梶英明(著)「行者日誌: 虚空蔵求聞持法」

古梶英明(著)「行者日誌: 虚空蔵求聞持法」を読みました。著者が虚空蔵求聞持法を修めた際の貴重な記録です。

虚空蔵求聞持法は若き日の空海も修したと伝えられる行で、著者によると「弘法大師の『三教指帰』などに『もし経軌にしたがって虚空蔵菩薩真言百万遍誦せば、一切の教法の言葉やその意味を暗記して忘れることのない』法だと説明されている」とのことです。著者の行は昭和57年(1982年)6月1日午後から7月21日午前まで50日間に渡り厳島の弥山山頂付近にある大聖院のお堂のひとつで行われ、成満は戦後21人目だったそうです。その後、著者は昭和58年(1983年)に故郷の大分県中津市桔梗山三明院を建立されたそうです。

行の直前から直後までの行者さんの心境の書かれた貴重な本だと思いました。50日間にも渡る行ですから、淡々とした記述の中に本当は大変だったことがたくさんあるのだろうなと思います。しかし、記録を読んだだけの門外漢が想像する大変さと行者さんが実際に体験された大変さは大きく異なっているものと思いますし、行者さんが達せられた心境は門外漢には想像もつかないものだと思います。ですからとても感想を書くことはできません。ただただ、行というのは大変貴重なものだと思いました。巻頭に虚空蔵求聞持法の解説が記されていました。