法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

帰納的認識と演繹的認識

この世界を認識するための方法論には大きく分けて2種類あるようにと思います。

ひとつは帰納的な認識方法です。まず事実をありのままに把握して、把握した事実を元に分析・理解していこうとする方法論です。私の身の回りでは、優れた成果を出す研究者に多いように思います。また、アート系の方にも多いように思います。幼い頃から感じる力、適切な表現を選ぶ力が優れているからでしょうか。各分野のパイオニアと呼ばれる方々も帰納的な認識方法を取られていたのではないかと思います。

もうひとつは演繹的な認識方法です。まず頭の中に仮説を作って、その仮説に合わせて見聞を拾い集めて結論とする方法論です。私の身の回りでは、大組織でそこそこ出世した方に多いように思います。受験勉強で答えが用意された問題ばかりを解いてきたからかもしれませんし、上長の意向に合わせた結論を出すことに日々精進されてきたからかもしれません。

前者の帰納的な認識方法を取られる方は、どんなに忙しくても精神的にゆとりを持って生きてらっしゃる傾向があるように思います。一方、後者の演繹的な認識方法を取られる方は、馬が合うかどうかで合従連衡しながら、威勢良く生きておられる傾向があるように思います。

社会の変革期には前者の帰納的な認識方法はとても重要になる思います。社会の安定期には後者の演繹的な認識方法でも生きていけるかもしれませんが、認識と現実のギャップに精神的に苦しむ人は多いのではないかと思います。どんな時代であっても不必要なストレスを避けながら時代を乗り切ろうと思ったら、前者の帰納的な認識方法の方が暮らしやすいのではないかと思います。