法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

10年前の液晶ディスプレイ

10年近く前に購入した液晶ディスプレイを久しぶりに箱から出して、昨秋購入した iMac の外付けディスプレイとして接続しました。購入当時は重宝していたのですが、久しぶりに使ってみて10年近い時の流れを感じる結果となりました。

一番の違いは画素数で、iMac は 21.5インチで 4096×2304 なのに対して、この液晶ディスプレイは 23インチと大きめなのに 1920×1080 しかありません。iMacRetina ディスプレイを見慣れた目にはドットが荒すぎるので、長時間の利用は難しいかもしれません。

それだけでなく、MacOSRetina ディスプレイの画素密度を前提としたアルゴリズムでフォントを描画しているようなので、画素密度の低いディスプレイとは相性が悪いようです。ネットで検索してみたところ、「カラーフリンジ・エフェクト」を有効にすればよいと書かれた記事を見つけたので試してみたところ、却って文字が読みにくくなってしまいました。そこで、フォント描画の相性の悪さについては仕方のないことだと思うことにしました。(関連情報は CGFontRenderingFontSmoothingDisabled および AppleFontSmoothing で検索すると見つかります)


思い出してみると昔々の漢字フォントは、16×16 ドットや 24×24 ドットなど、今と比べるとドット数の少ないものが使われてました。それを 1280×1024 など、今と比べると画素数の少ないディスプレイに表示して利用してました(ディスプレイの画素数がもっと少なかった時代もありました)。そんな時代と比べると、この液晶ディスプレイの画素数は 1920×1080 もあり、購入当時はとても満足してました。しかし、その後も画素数はどんどん増えていったようです。

今使っている iMac の画素数は 4096×2304 です。これだけ画素密度が高くなると、16×16 ドットや 24×24 ドットのフォントは小さすぎて使えません。そこで、おそらくアウトライン・フォントが使われているのではないかと思います。すなわち、各文字の輪郭線を数式のパラメータとして記憶しておいて、必要に応じて文字のドット・パターンを生成しては、画面に表示しているものと思います。そのような仕組みのお蔭で、様々な大きさ、様々なスタイルの文字を美しく表示できているのではないかと思います。

ディスプレイの画素密度向上の過渡期においては、画素密度や文字の大きさに応じて前述の2種類の文字描画の仕組みを使い分けていた時代があったように思います。しかし、MacOS はだいぶん前からアウトライン・フォントのみとなり、さらに Mac シリーズのディスプレイは画素密度の高い Retina ディスプレイのみとなったようです。そのため、MacOS では画素密度の低い外付けディスプレイに対するサポートが手薄になりつつあるようです。(もしかしたら Windows を含めて他の OS では事情が異なるかもしれません)


と言う訳で、この液晶ディスプレイは MacOS のフォント描画の仕組みを使わないアプリで利用すればよさそうです。

そこで、仮想化デスクトップ・ソフト上で LinuxBSD などのフリーの OS を走らせる際に、表示装置として利用しようと思っています。

このような使い方であれば、各ウインドウの画素数は 640×480 や 1280×768 くらいあればよいので、1920×1080 しかない古いディスプレイでも十分に活用することができそうです。今日試しに使ってみた感じでは OK でした。