ツォンカパ(著)「縁起讃」を拝読しました。ツォンカパはチベット仏教のゲルク派の開祖です。
素晴らしい内容だと思うのですが、いかんせん、私の言葉で説明することができません。そこで全58偈のうち、印象に残った4つの偈を以下に引用します。
- (2) 世間のいかなる堕落もその源は無明である。〔縁起を〕見ることにより、それ(無明)を滅することができるため縁起〔の教え〕が説かれた。
- (5) 「条件に依存しているものはみなその自性は空である」。これよりも驚くべきどんな善き教えがあると言うのか。
- (15) 「ゆえに、〔他に〕依存して生じたもの以外には何も存在していないので自性が空であるもの以外にはいかなる現象も存在していない」と〔あなたは〕言われた。
- (20) このすべては自性が空であるということとこの〔因〕からこの結果が生じたという二つの確信は互いに障りなく支え合っている 。
去る2010年6月26日(土)に横浜で開催されたダライ・ラマ14世の講演会の午前の部のテーマは「縁起讃」だったそうです。その講演を聞かれた大谷大学の福田洋一教授と早稲田大学の石濱裕美子教授の下記のブログ記事がとても参考になりましたのでご紹介します。
- ダライラマ法王の横浜講演「縁起讃」 (福田洋一, 2010-06-27)
- 瞑想だけでは悟れない(法王横浜講演) (石濱裕美子, 2010-06-27)
また、2018年3月2日にダラムサラでダライ・ラマ14世による『ジャータカ』と『縁起讃』の法話会が開催されたそうです。日本語同時通訳付きの映像が公開されてましたので、こちらもご紹介します。
- 神変大祈願祭の法話会 (ダライ・ラマ法王14世, 2018-03-02)