法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(著)「ローカル・フューチャー ”しあわせの経済”の時代が来た」

ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(著)「ローカル・フューチャー ”しあわせの経済”の時代が来た」(無料英語PDF版)を読みました。著者はNPOローカル・フューチャー」の創設者・代表のヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんです。

第1章「グローバル化 - その不都合な真実」では、いわゆる『グローバル化』は「強者を輔け弱者を挫く」システムであり、庶民の多大なる献身的犠牲の上に大資本を超優遇するシステムであることが分かりやすく説明されています。第2章「グローバルからローカルへ」では、なぜ『グローバル化』ではなくて『ローカル化』に向かうべきなのか、Q&A形式で説かれています。第3章「ローカリゼーションへの道」では、ピープル・パワー、ビッグ・ピクチャー・アクティヴィズム、トップダウン型(政策を変える)、ボトムアップ型(草の根運動で変える)の4つの視点からローカリゼーションに向けての方法論が示されています。終わりに「ローカリゼーションこそ“しあわせの経済”」では、ローカリゼーションこそが「しあわせの経済」であることが説かれています。

とても刺激的な本でした。しかし壮大すぎてどこから手をつければ良いのやら…。おそらくまずは、走りながら、体験を積み重ねながら考えるしかないのだろうと思います。

今の世の中を見回してみると、弱い立場の人に「しわよせ」をして、お客様や同僚や家族のために頑張って働かざるをえない状況を作って、滅私奉公的に仕事をさせる「しわよせ」システムが大手を振っているように思います。もしかしたら形こそ違えど世界中で同じような状況なのかもしれません。そして、そのような仕組みを作り上げた大元締めが多国籍大資本がなのかもしれません。一方で、みんなで力を合わせて明るく楽しく、そしてより創造的に仕事ができる「しあわせ」システムで動いている組織も、国内外にたくさんあると思います。そんな「しあわせ」システムが当たり前の世の中になるといいなと思います。

「しわよせ」システムから「しあわせ」システムへ。グローバルからローカルへ。ピラミッドからフラットへ。奪い合いから譲り合いへ。これらの目標は実はみんな繋がっているのかもしれないなぁと思いました。

ところで、2017年11/11(土)〜12(日)に東京で「“しあわせの経済”世界フォーラム2017」が開催されたそうです。プログラムを拝見すると、ヘレナ・ノーバーグ=ホッジさんによる基調講演をはじめ、興味深そうな講演や分科会が目白押しです。残念ながら参加できませんでしたが、きっと素晴らしい2日間だったことと思います。