(1)脇道
いつの頃からか、人生は神様からいただいた公案だと思うようになりました。そのため、日々の体験も、心に思い浮かぶことも、新たな公案であると同時に、既存の公案を解くためのヒントだと思うようになりました。
私が選ぶよさそうな道は、神様から見たらアサッテな道かもしれません。日々の体験や心象は、見るに見かねた神様からのナビゲーションかもしれません。そこで積極的に脇道に分け入るようにしています。
脇道は、思わぬ地点への近道かもしれませんし、ヒントを得るための寄り道かもしれませんし、もしかしたら単なる勘違いかもしれません。分け入ってみてのお楽しみです。
(2)3つの視点
先日から「虫の視点」「鳥の視点」の2つの視点について考えてきましたが、どうやら「虫の視点」はさらに2種類に分類できるようです。この3つの視点を喩えるなら、魚眼レンズ、遠近法、電子地図、となるように思います。他にもあるかもしれません。
- 「魚眼レンズ」タイプは、目の前の人・もの・ことをとても大切にします。
- 「遠近法」タイプは、常識に従って世間を見通す(=想像する)ことを重視します。
- 「電子地図」タイプは、物事を構造的に理解・記憶することを重視します。
おそらく、ほとんどの人はこの3つの視点をいずれも持ち合わせているのではないかと思います。しかし得手不得手があって、普段は一番得意な視点でものを見ているのではないかと思います。残念ながら、視点が異なる人同士は、話が噛み合いにくいのではないかと思います。
以下、それぞれの特徴を書き出してみます。現時点では空想的な内容が多いかもしれません。
(2—1)「魚眼レンズ」タイプ
魚眼レンズのように、目の前の人・もの・ことがとてもよく見えます。そのため、観察力と感受性に優れています。
自然に、周りの人に優しく接したり、困っている人を親身になって助けたりします。
また、直接体験を大切にするので、長年に渡る研鑽が、匠の技として実を結ぶかもしれません。
「いまここ」につながっているかもしれません。
幼い子どもたちは「魚眼レンズ」タイプではないかと思います。
(2—2)「遠近法」タイプ
遠近法(透視図法)のように、様々な物事を整然と見通すことができます。その鍵は、常識に照らし合わせて想像を広げることにあります。どの常識を信奉するかによって、見える景色が異なります。
印象をもとに想像して、想像内容をもとに判断します。したがって、印象がものを言います。
遠近法なので、全体像の中心付近には遥か彼方の物事が小さく見えていて、辺縁には身近な物事が大きく見えています。もしかしたら、見えない外側には背後の物事が隠れているかもしれません。身の回りの物事も中心付近に見えます。
そのため、詳細不明な遥か彼方の物事に権威を感じて、逆に詳細明瞭な身近な物事を軽く見る傾向があるように思います。また、想像力の及ばないことは無視するようです。もしかしたら、遥か彼方の物事と目の前の物事しか見えない人もいるかもしれません。
大人は「遠近法」タイプが多いかもしれません。
(2—3)「電子地図」タイプ
電子地図のように、対象を拡大・縮小しながら思考します。
物事を構造的に理解して、記憶に際しては連想記憶を多用します。関連情報が多いほど理解が正確になったり、連想記憶が働きやすくなったりするので、知識に貪欲です。
知識を吸収するときは、既存の知識との整合性を重視します。矛盾がある場合は、正しい情報を探します。常識や噂話を聞いたときも同様です。
遥か彼方の物事も、目の前の物事も、重みに違いがありません。特定の物事を極めたり、対人関係を円滑にしたりすることには向きません。
「電子地図」タイプの人は少数派かもしれません。
(3)マウナ
私の普段の視点は「電子地図」タイプのように思います。おそらく少数派なので、世間の人と話が噛み合いにくいのは仕方がないのかもしれません。対策としてマウナ気味に暮らしたいと思っています。
ところで以前、人の行動パターンを「従順」「威圧」「探求」の3種類に分類したことがありました。上述の3つの視点に当てはめると、「従順」「威圧」は「遠近法」タイプに属して、「探求」は「電子地図」タイプに属しているのではないかと思います。「魚眼レンズ」タイプは漏れてました。上中下を重視するのは、「遠近法」タイプの特徴かもしれません。
こんな風に仮説をどんどん書き換えていくのは、「電子地図」タイプの特徴かもしれません。上述の3つの視点の仮説も、これからどんどんブラッシュアップされていくことと思います。
※比喩をもとに分類名をつけたので、わかりにくい名前になっています。熟成してきたらわかりやすい名前に付け替えたいと思います。
〔追記 2021-10-26〕
「魚眼レンズ」「遠近法」「電子地図」は、それぞれ「幼な子の視点」「虫の視点」「鳥の視点」と表現した方がわかりやすいかもしれません。