法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

ウイルスがもたらす未来

何かで読んだのですが、中国のウイルス研究に米国も出資していたとのこと。そこから妄想を膨らませて、三文小説のネタを考えてみました(笑)


米国は、中国がSARS対策を通して得た知見が欲しかった。中国は、米国の遺伝子操作技術が欲しかった。両国の思惑が一致したので、強毒性の感染症対策を名目として、中国を拠点に共同研究がスタートした。両国とも口には出さなかったが、生物兵器の開発技術・対策技術を獲得することを期待していた。研究の過程で、SARSコロナウイルスを遺伝子操作して、変異株をいくつも作り出した。

あるとき、その一部が漏れてしまった…

中国も米国も慌てた。どの変異株が漏れたか、すぐにはわからなかった。最初は秘密裏に、最悪の事態を想定して対策を講じていった。速やかに国際的な協調体制が作られた。医薬業界には、漏れた可能性のある変異株を提供してワクチンの急造を依頼した。資産家には、医薬業界への出資を依頼した。情報統制は厳格に行われ、違反者は即座に処罰された。

やがて隠しきれなくなって、動物由来の新たな感染症が見つかったことにして発表した。特定地域のみの感染症として発表したが、実際にはすでに世界各地に広がっていた。

最悪の事態を想定していた国々では、PCR検査のCt値を極めて大きくして、ウイルスがわずかでも見つかれば隔離した。特別な医療体制も敷いた。感染抑止のためロックダウンも行った。モデル都市を指定して、精力的に取り組む姿勢をマスコミを通して詳細に報道し、他都市が見習うことを促した。ソーシャル・ディスタンシングやマスク装着など、市民レベルでの対策も広く推奨した。しかしできる限りの対策を施しても、ウイルスへの恐怖心は消えなかった。

ところが、よくよく調べてみると、漏れたウイルスは弱毒性だった…

本来なら安堵すべき局面である。しかし今さら後に引けない。ロックダウンによる損害賠償の訴訟には国家財政が耐えられない。ワクチン開発のための膨大な投資を補填することも難しい。ウイルスにまつわる国家機密や国際協定について隠蔽したままでは、人々のウイルス恐怖症を払拭するのは簡単なことではない。そしてもちろん、次の選挙にも耐えられない。。

そこで、慣性の法則にまかせて従来通りの路線で進むことにした。ワクチンが功を奏したことにして、すべてを「なかったこと」にする作戦だ。

ところが、そのワクチンに大きな落とし穴があった…

短期的にも長期的にも、とても見過ごせないような大きな副反応があるばかりか、感染をまったく抑えられなかったのだ。感染者数は季節変動に従うのみであった。各国は悩んだ。このままロックダウンを繰り返して落ちぶれていくか、それとも真実を明らかにして世の中を元に戻すか。

対応は国によって違った。小国ほど正直な道を選べた。大国ほど路線変更は困難を極めた。やがて大国は没落していった。かつての大国が表舞台から姿を消すと、世界は大きく変わっていった。まるで植民地支配から真に解放されたかのように。。