法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

自分の嫌いなところを見つけるワーク

(1)自分の嫌いなところ

感情は瞬々刻々変化します。あるときは穏やかに、またあるときは激しく。観察していて飽きません。なかでも「怒り」の感情はとても興味深いです。以前、自分自身の感情の変化を観察していて、ある仮説に至りました。

仮説:「怒り」の感情が起きるのは、相手の中に自分の嫌いなところを見たときではないか…

(2)カムフラージュ

それは相手の言動の中かもしれませんし、表情の変化かもしれませんし、立ち振る舞いかもしれません。ふと相手の中に自分の嫌いなところを見てしまったとき、潜在意識から「怒り」の感情が浮かび上がってくるのではないかと思います。

ところが、潜在意識も自分の嫌いなところを直視したくありません。そこで、「怒り」の原因としてまったく別の理由をくっつけて、「○○だから腹が立った」などと因果関係が改竄された情報を顕在意識に届けるのではないかと思います。

顕在意識にしてみると、潜在意識から上がってくる情報がまさか改竄されているとは夢にも思わないので、「○○だから腹が立った」と信じてしまうのではないかと思います。その結果、話がこじれてしまうのではないかと思います。

ある時期、「怒り」の感情が湧き上がってきた状況を色々と思い出しては、類型化を試みてました。やがて、どうやら「怒り」の感情の発生には何かパターンがあるらしい、ということに気付きました。それぞれのパターンごとに共通する状況を思い出しているうちに、前述の仮説に至りました。

そして、「そうか、私は自分のこんなところが嫌いなんだ」ということに気付くことができました。

(3)意外とどうでもよい

自分の嫌いなところは、気付いてみると意外とどうでもよいことが多いです。

ひょっとしたら、昔々何かをきっかけに傷ついて嫌いになって、年月とともに傷は癒えたのに、「嫌い」という感情だけが残っているのかもしれません。

ですから、自分の嫌いなところに気付くことができると、自分の嫌いなところが減っていくのではないかと思いました。そして「怒り」の感情に振り回されにくくなるのではないかと思いました。

そこで、自分の嫌いなところを積極的に見つけるためのワークを考えてみました。十数年前に私自身で試したときには、目的を達することができました。しかし、感情の動きは一人一人違いますので、すべての人に適用できるかどうかはわかりません。もしかしたら私専用かもしれません。うまくいかなかったら、申し訳ありません。


(4)ワーク

以下は、自分の嫌いなところを見つけるためのワークです。

  1. ノートとペンを用意します。

  2. 非常に激しく腹が立ったときのことを思い出します。そして再び怒りの感情を燃え立たせます。自分を抑えられなくなるくらいにまで、激しく燃え立たせます。

  3. ノートに怒りのたけを書き殴ります。怒りの炎を燃え上がらせながら書き殴ります。その際、決して人名は書かないでください。「おまえ」とか「きさま」のような代名詞を使ってください。

  4. もうそろそろ十分だと思ったら終わりです。激しい怒りの継続時間はそんなに長くないのでご安心ください。

  5. ノートを閉じて心を落ち着けてください。心が落ち着くまでに数時間で済むこともあれば、数週間かかることもあるかもしれません。落ち着くまでノートのことは忘れてください(他の人に見られないよう、厳重に保管してください)。

  6. 心が十分に落ち着いたら、ノートを読み直してみてください。そこに書かれている言葉は、実はあなた自身に向けられた言葉だと思いませんか?

  7. 自分の嫌いなところに気付くと、気持ちがさらに冷静になると思います。そして、同じ場面を思い出しても、怒りの感情が以前より軽くなっていることに気付くと思います。

  8. 数ヶ月おきにこのワークを繰り返すと、自分の嫌いなところがさらに見えてきて、当時のことを思い出してもあまり腹が立たなくなっているのではないかと思います。やがて、このワークができないくらいに落ち着いてくるのではないかと思います(私は2〜3回くらいでそうなりました)。

  9. 怒りの炎が燃え上がらなくなったら、このワークはおしまいです。

なお、これはあくまで感情を落ち着かせるためのワークです。トラブルで補償等が必要な場合は、別途冷静に交渉してください。

※このワークで怒りの炎を燃え上がらせるのは、潜在意識から出てきた感情が、できるだけ改竄されない状態で顕在意識に届くようにするためです。怒り狂えない場合には、このワークはうまく働かないと思います。


(5)センシティブ

あれから時が経ち、「怒り」の感情の発生原因は他にもあるような気がしています。それについては、また改めて…

いずれにしても、感情的にセンシティブなところに触れられたときに、「怒り」の感情が起きるように思います。ですから、自己否定が強い人ほど、「怒り」の感情が激しく起きやすいのではないかと思います。「怒り」の感情はとても興味深いです。