法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

ジョエル・サートレイ「PHOTO ARK 消えゆく動物 絶滅から動物を守る撮影プロジェクト」

地球上には何百万種もの生き物が暮らしていて、そのうちの約百万種が絶滅の危機に瀕しているそうです。いま現在、大量絶滅が進行中と考えている生物学者は7割にものぼるそうです。また、地球上の哺乳類の頭数を数えると、野生は1割以下で、残りの9割以上が人間か、食用家畜(ウシ・ブタ・ヒツジ・ヤギなど)だそうです。

聞くところによると、人間界では一握りの大富豪が全世界の富の半分を持っているそうです。言語や方言も減っているようです。生物界でも同様に、一握りの種(人類と食用種)だけが増えて、残りの種はどんどん減少・絶滅しているのかもしれません。

生命の多様性が失われると、やがて一強と思われた人類が生きていけなくなって絶滅して、数千万年後の未来には再び生物の多様性が蘇っているかもしれません。人間の時間感覚では想像力を遥かに超える遠い未来の話ですが、地球の時間感覚ではまもなくやって来る近い未来の話かもしれません。まさに「おごれる人も久しからず」です。


ジョエル・サートレイ「消えゆく動物」という写真集を拝見しました。

著者は、世界の動物園・保護施設で飼育されている1万5千種の動物をすべて写真で記録する「フォト・アーク」プロジェクトに取り組んでいて、これまでに約1万種の動物を撮影しているそうです。この本には、記録写真の中からおよそ300種が、約400ページに渡って掲載されています。

プロジェクト名の「アーク」は「ノアの箱舟」のことだそうです。すなわち「フォト・アーク」とは「写真版ノアの箱舟」のことで、あらゆる種類の動物を写真で記録することを目標としたネーミングではないかと思います。

このプロジェクトを通して、動物の大量絶滅や保護活動に関心を持ってもらうと同時に、動物たちの姿を未来の世代に伝えることを目的とされているそうです。

300種をひとつひとつ覚えることは叶いませんでしたが、とても美しい写真集でした。