法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

同じ単語でも、人によって、場面によって、意味が変わる

「Art」と「Truth」について、

  • ピカソは「Art is not truth」と言ったそうです。

  • ケネディは「it (=art) is a form of truth」と言ったそうです。

この部分だけを見ると、お互いに矛盾する主張をしているようにも見えます。念の為、もう少し長く引用してみると、、

  • スペインの美術家・ピカソの発言「We all know that Art is not truth. Art is a lie that makes us realize truth (...) Through art we express our conception of what nature is not.」

  • 米国元大統領・ケネディの発言「We must never forget that art is not a form of propaganda; it is a form of truth.」(=芸術とは扇動の形をとるものではなく、真実の形をとることを決して忘れてはなりません)

このくらいの長さで引用すると、この二人はまったく異なる視点から、まったく異なることについて述べていることがわかります。そして、「Art」という単語で表現しようとしていることも、「Truth」という単語で表現しようとしていることも、まったく別物であることがわかります。

同じ単語を使っていても、その単語で表現したいことは人によって、場面によって意味が変わります。ですから、その単語で何を表現しようとしているかを読み取る能力はとても大切だと思います。

同じ単語を使っているからと言ってうっかり同一視してしまうと、言葉遊びに陥りかねません。それは自分自身が発する言葉でも同じだと思います。単語の辞書的な意味に囚われることなく、発話者の意図を読み取る能力はとても大切だと思います。


最後になりましたが、上記の二つの発言は下記資料から引用しました。ご興味のある方は原文をご覧ください。

パブロ・ピカソの発言

ジョン・フィッツジェラルドケネディの発言(「VIEW TRANSCRIPT」をクリックすると書き起こしが表示されます。日本語版もあります)