(1)分身ロボット
吉藤健太朗さんが率いるオリィ研究所では、肉体的な移動が難しい人のために、分身ロボット「OriHime」を開発しているそうです。
このロボットを使うと、本人は自宅に居たまま、分身ロボットを派遣することで会議や宴会に参加できるそうです。分身ロボットにはカメラとマイクが着いていて、簡単なジェスチャーもできるそうです。本人は自宅で iPad を操作して、会場の様子を見回しながら、会場の音も聞きながら、発言したいとき発言できるようです。
本人の映像は分身ロボットには表示されないので、仮に居室の掃除や身支度が容易ではなかったとしても、気軽に利用できるそうです。
障害者の在宅勤務のための強力なツールとなるだけでなく、健常者のテレワーク時のツールとして、あるいは引きこもりの人たちの外出の第一歩としても利用されているそうです。
- 吉藤健太朗/ロボットコミュニケーター 人工知能ではなく人の繋がりで、人の孤独を解消する若きロボットコミュニケーターの挑戦 (第1〜4回) (Okamura WAVE+, 2018年1月〜2月)
- 体が動かなくてもやりたいことはできる - 吉藤オリィ氏が語る、障害も距離も越える「分身ロボット」の可能性 (Logme, 2019年12月)
- OriHime (オリィ研究所)
(2)ムーンショット
内閣府が「ムーンショット型研究開発制度」を推進しているそうです。現在掲げられている7つの目標の第1番が「誰もが多様な社会活動に参画できるサイバネティック・アバター基盤」だそうです。
具体的にはこんな感じだそうです(専門用語で溢れています)→ 「2050年までに、複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって、大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。」「2030年までに、1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターを、アバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。」
最初聞いたときは「摩訶不思議な方向性の計画だなぁ」と思ったのですが、前述の分身ロボットの延長線上にあると思うと、「方向性としては、ありうる計画かもしれないなぁ」と思うようになりました。
本人が出掛ける代わりに代理ロボットを派遣して遠隔操作で作業したり、体力が衰えている人の代わりに遠隔操作で重労働をしてくれたり、頭脳作業を今より遥かに直感的な方法で支えてくれたりすると、便利かもしれないなぁと思うからです。例えば、少子高齢化の進展で労働力不足に陥る可能性の高い田舎では、便利なツールになってくれるかもしれません。
ただ、目標が30年後(2050年)と随分先なので、はたして誰にとって嬉しい未来図なのか、費用はどのくらいか、今以上に資源の浪費を招くのではないか、などなど懸念は色々と浮かんできます。もしかしたら、大企業向けのツールにしかならないかもしれません。
好き嫌いで言えば、私は大自然の法則に即した未来図の方が好きです。いつの日か内閣府がそんな未来図を描いてくれようになるといいなぁ… (アニメ『未来少年コナン』で喩えるなら、インダストリアを目指すか、ハイハーバーを目指すの違いです)
(3)足元を照らす工夫
私は脳の一部の機能が壊れていたり、肉体的な限界値がかなり低かったりするので、今のところ引きこもりでいるのが一番楽です。
お話を聞くにしても、音としては聞こえるものの言葉として理解する能力が低いので(聴覚情報処理障害っぽい症状なので)、前述の分身ロボットがあったとしても、今のところは会議や宴会に出席したいとは思いません…
ただ、あると便利かなと思うのは、音声をその場でテキストに変換してくれるツールです。スマホのアプリで便利なのがあるようなのですが、私はスマホを持ってません。また、要件があるときはお手紙を持参することが多いのですが、目の弱い方には文字よりも読み上げ機能を使った方が喜ばれるかもしれません。読み上げアプリもスマホにありそうなのですが、私はスマホを持ってません。(長文を読み上げるのは私には楽な作業ではないのです…)
そんな機能を含めて、どんな機能を持ったアプリがあれば外出しやすくなるのか、経済的に余裕ができたら試行錯誤してみると、暮らしが快適になるかもしれません。
私にはムーンショットのような派手な未来図は描けませんが、もしかしたら足元の水たまりを避ける程度の簡単な未来図なら描けるかもしれません。その未来図が、他の誰かのお役に立てると幸せです♪