法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

青木亮(編著)「地方公共交通の維持と活性化」

青木亮(編著)「地方公共交通の維持と活性化」を読みました。

地域の公共交通の事例が、学者さんの視点でまとめられた本です。私にはちょっと難しかったです。そのため、深く読み込むことはできず、斜め読みのようにサッと読んでしまいました。

この本を読んで改めて思ったのは、公共交通というのは「暮らしを支える」ためにあるということです。一番大切なのは、それぞれの地域でどんな暮らしが営まれていて、どんな困りごとがあるか。それが把握できて初めて、地域の暮らしを支えたり困りごとを解決したりするためには、どのような公共交通が必要かという議論ができるのではないかと思いました。

地域の実情は地域の人が一番よく知っているはずではありますが、様々な世代、様々な職業の人が暮らしていると、生活様式が多様すぎて、地域の人でも十分には把握できてないかもしれません。また、年月とともに地域の年齢構成が変化して、地域の実情は少しずつ変化しているのではないかと思います。現状だけでなく、時間軸を意識した実情まで把握するのは、意外と難度が高いかもしれません。そんな中でも地域内のことをきちんと把握できている地域が強いのではないかと思いました。

本当は、暮らしを支えるために公共交通を含めてどのようなサービスが必要かという「総合的」な視点が必要ではないかとも思いました。場合によって、公共交通が適切な場合もあれば、訪問・宅配サービスが適切な場合もあれば、小型電動車両が適切な場合もあれば、電話やネットで補完できる部分もあれば… さらに、必要な組合せは年月とともに変わっていくことと思います。また、地域を支えてくださる業者さんの採算や労働環境も考慮しなくてはなりません。そんな風に、時間軸を含めた「総合デザイン力」が求められているのではないかとも思いました。

また、公共交通網のハブ地点が、商業施設・公共施設の集積地と一致すると、公共交通網を利用しやすくなるように思いました。公共交通網の整備は、中心部のコンパクト・シティ化と合わせて考える必要があるのではないかと思いました。

本の内容が私には高度すぎたので、ちょっと飛んだ感想になってしまいました…(笑)

【書籍】青木亮(編著)「地方公共交通の維持と活性化」 (日本交通政策研究会研究双書32, 成山堂書店, 2020-08-22)