法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

AI加工した大正初期の東京の映像

下記の動画は、1913年(大正2年)と1915年(大正4年)に撮影された東京の動画を元に、AI を使ってカラー化・高解像度した動画だそうです。

現代の映像データを元に過去の動画をAIで描き換えているので、当時の光景そのままと言うよりも、「当時の光景はきっとこうだったのではないか」という“拡張”動画です。ですから仮に当時の実際の人物や光景と比べることができたとすると、かなり似ているものの、細部は若干違っているかもしれません。

例えば元にした顔写真データが、東アジア系か、欧州在住者系か、世界各地の人々かで、高解像度化した顔の細部が変わってくると思います。仮に日本人の顔写真データを使っていたとしても、当時と現代とでは街を歩くときの表情が違うかもしれないので、やはり顔の細部は違ってくるのではないかと思います。

同様に、服装にしろ持ち物にしろ建物にしろ、元にした服装写真や建物写真の影響を強く受けると思います。正確さを期そうと思ったら、当時の風俗に詳しい人からアドバイスを受けながら、AIに学習させる映像データを吟味したり、当時のものの再現映像を作成してAIに学習させたり、場合によっては手作業で修正したりする必要があるかもしれません。

また、まりつきやお手玉のように、現代の子どもたちから姿を消してしまった遊びについても、十分に練習した上で再現映像を作成してAIに学習させておかないと、スムーズな動きを再現できないのではないかと思います。(実際、下記の動画では不可思議な動きとなっています)

そういった限界があることを理解した上で動画を見ると、当時の風俗について様々な知見が得られるのではないかと思います。とても興味深い動画でした。

下記動画を制作したデニス・シリヤエフさんは、これまでに過去の動画をいくつもカラー化・高解像度化して YouTube で公開している方です。素晴らしい仕事をされている方です。

最後になりましたが、下記動画の元動画はオランダの「EYE映画博物館」から提供された動画を元に速度調整して音声を追加したものだそうです。



下記はデニス・シリヤエフ (Denis Shiryaev) さんについてです。


(以下は本題とはまったく関係ありませんが…)

最近、人が歩く姿をじっくり観察する機会がほとんどないので勘違いかもしれませんが、

上記の動画を見ていると、当時の人々は一歩一歩、重心を移しながら歩いているように思います。右足を下ろしたら、体全体を若干右に傾けて重心を右足の上に持ってくる。左右足を下ろしたら、体全体を若干左に傾けて重心を左足の上に持ってくる。それを繰り返しながら歩いているので、傍目には体を左右に揺らしながら歩いているように見えるのではないかしら…。なんとなく、そのような歩き方をしている人が多いように思います。

現代人もこのような歩き方をしていたかどうか…。微かな記憶の中では、右足を上げるときは右足を蹴り上げて、左足を上げるときは左足を蹴り上げて、体が左右にあまり揺れないような歩き方をしているように思います。

もしかしたら現代日本人の体には、子供の頃に習った行進風の歩き方が染み付いてるのかもしれません。この動画を見ながら、そんなことを思いました。


話は戻って、日本では渡邉英徳さんが過去の映像をカラー化されているそうです。AIで処理した後、手作業で修正しているそうです。