川崎洋さんの『ぼうしをかぶったオニの子』を読みました。
二本のツノを隠すため、いつも帽子をかぶっているオニの子。すぐにバレちゃって、いつもひとりぼっちのオニの子。
オニの子を喩えるなら、心にたくさんの傷を負って、心がトゲトゲになってしまった、内なる子ども。たくさんのトゲトゲでうっかり周りの人を傷付けて、怒った相手に傷付け返されて、ますますトゲトゲになってる、内なる子ども。心にたくさんの傷を負ってるからこそ、人の心の痛みが痛いほどわかり、純粋な心、優しい心を持つ、内なる子ども。
そんなオニの子のほのぼのとした5篇の旅の物語です。「かくれんぼと カカシ」「ワニの おじいさんの たからもの」「百さいの けむし」「ふしぎな でんわ」「タオルの海」の5つです。
そのままでいいんだよ、別の何かになろうとしなくていいんだよ、オニの子はオニの子でいるのが一番いいんだよ。そんなメッセージを受け取ったように思いました。
- 川崎洋(作)飯野和好(絵)『ぼうしをかぶったオニの子』 (あかね書房, 2008-08-01) ( 絵本ナビ )
※初版は1979年です。2本目のお話は、とある小2教科書にも載ってるそうです。