法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

「見える化」から「OODA Loop」へ

この夏は、脳の思考回路を刺激するために思考型ゲームに取り組んでいます。最近はソリティア(もしくはクロンダイク)と囲碁九路盤が中心です。

ソリティアの画面構成は、下半分が場札(初期状態は1枚〜7枚の7列)置き場、左上が山札(初期状態は場札以外の24枚)置き場、右上が組札(マークごとにA〜K、初期状態は0枚)置き場、となっています。

初期状態では、場札も山札もトランプのカードがランダムに積まれています。その状態からルールに従ってカードを少しずつ移動させていきます。そして、右上の組札置き場にマークごとに数字の小さい順に積み上げていきます。すべてのカードを積み終わったら完了です。簡単に言うとカードの整列ゲームです。ルールもゴールも単純です。

私がソリティアで心掛けているのは、まずはカードをすべて表向きにして、どこに何があるのかが見えるようにすることです。それによって、すべてのカードを表向きにする作業自体が楽になりますし、組札として積んでいく作業も分かりやすくなるからです。(ただし思考範囲を単純化するために、表向きにする作業で不要となった数字の小さなカードは、少しずつ組札置き場(右上)に移動しています)

私にとって一番カッコいいのは、まずは場札に52枚のすべてのカードを表向きに並べて壮観さを味わって、それから組札置き場に1枚ずつ移動していくという展開です。しかし実際には、表向きにする作業と組札置き場に移動する作業は並行して進めています。(思考範囲を単純化するためでもあり、また手順として必要な場合もあるからです)

このように、大きな方向性で言えば「見える化」をとても大切にしています。

※「見える化」はトヨタ生まれの言葉だそうです。

(ただし、思考能力のリハビリを目的としてプレーしている段階ですので、せっかく「見える化」しても見落としがまだまだとても多いです。脳の使い方を工夫して、見落としを少しずつ減らしていきたいと思っています。)


COVID-19 対策でも同様に、一番重要なのは「見える化」ではないかと思っています。

PCR 検査を含めて十分に検査を実施して、一人一人の経過もしっかり観察して、記録に残すこと。そして、プライバシー保護に万全を期しながら、医療関係者(研究者を含む)が記録データにアクセスできるようにすること。

その仕組みがあってこそ、COVID-19 の経過に対する知見を迅速に深めたり、治療方法を迅速に確立したり、地域ごとの対策を立てたりできるのではないかと思います。(海外では広く行われていることではないかと思います)

そのような観点から、私は幅広い検査はとても重要だと思っています。しかし、検査と隔離・治療を直接結びつける必要はないと思っています。(COVID-19 は「五類感染症」扱い=インフルエンザと同等の扱いに変更した方がよいと思っているからです)

しかし、日本では「見える化」は重視されてないようです。現状把握なくして COVID-19 対策が打てるのか、私には不思議です。しかし、「見える化」は不要と考える人から見ると、私のような考え方こそが不思議に見えているかもしれません。(ひょっとしたら「見える化」すると「なかったこと」にできなくなるところが大きな問題なのかもしれません)


今日、OODA Loop という言葉を知りました。

「Observe – Orient – Decide – Act」ループの略だそうです。

  1. Observe (観察)
  2. Orient (状況判断/情勢への適応)
  3. Decide (意思決定)
  4. Act (行動)

すなわち、「対象を観察して、観察結果をもとに状況判断して、状況判断をもとに意思決定して、意思決定に基づいて行動する」ことを繰り返すことだそうです。(提唱したのは米空軍大佐だそうです)

日本では「PDCA サイクル」が流行っています。行政資料を見ても「PDCA サイクル」が様々な場面で推奨されています。「PDCA サイクル」は「Plan - Do - Check - Act」サイクルの略だそうです。「PDCA サイクル」は計画から始まります。観察が明示されてないため、軽視される可能性を排除できません。とてもトップダウン的な視点の進め方だなと思います。上手に進めないと、シワ寄せが下々に集中しそうです。

それに対して「OODA ループ」は観察から始まります。情勢変化に柔軟に対応できること、未知の事態に対応しやすいことが特徴だと思います。ミッションが十分に共有されていることが前提ではないかと思いますが、とてもボトムアップ的な視点の進め方だと思います。

COVID-19 を含めて未知の事態に適切に対処するためには、大きなゴールを共有した上で、ボトムアップ的なアプローチを採用すべきではないかと思います。地域おこしも気候変動も同様だと思います。

世の中は未知で満ちています。日本は「PDCA サイクル」愛好家から「OODA ループ」実践家に移行した方が、幸せの国になりやすいのではないかしら…