法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

時々口ずさみたくなるベートーヴェン交響曲第6番『田園』

最近は音楽のストリーミングやダウンロードのサービスに人気があるそうです。自宅に居ながらにして試聴から購入までできるのは、とても便利なサービスではないかと思います。昨年春からの世情を考えると、物理媒体からデジタルへと移行した人は多いかもしれません。学生世代の人たちは、物理媒体を購入したことのない人も多いかもしれません。

私は物理媒体の世代です。初めて購入したのは中学生の頃だったと思います。オーケストラが演奏する大人気映画音楽を自宅でいつでも聞けるようにと思って買物に出かけたところ、なぜだか名前すら聞いたことのない曲をジャケット買いして帰りました。

それがベートーヴェン交響曲第6番『田園』(ベーム指揮)です。

初めての買物だったこともあって、何度も何度も繰り返し聞きました。本格的なクラシック曲を通して聞くことすら初めてのことでしたが、なぜだかとても気に入ってしまいました。


最近、気がつくとその曲の一節を口ずさんでいることがよくあります。終局間際だったり、冒頭部だったり、途中部分だったり…

日本に住んでいるからか、私は『田園』と聞くと田んぼが広がっている風景を思い浮かべてしまいます。しかしベートーヴェンはドイツ人ですので、まったく別の風景を思い浮かべていたのではないかと思います。

Wikipedia によると、『田園』初演時の楽譜の一部に、ベートーヴェン自身の手によってイタリア語で「Sinfonia pastorella」と書き込まれていたそうです。同じ系統の英単語「pastoral」は牧場(まきば、羊や牛のいるところ)のような意味があるそうです。

と言うことは、ベートーヴェンがイメージしていたのは、宮崎アニメで喩えるなら『アルプスの少女ハイジ』のアルムの山のような風景かも知れません。作曲されたのは200年前ですから、近代的な牧場のイメージとも違うかもしれません。

頭では納得ですが、気持ちは田んぼであってほしいような気もします。残念ながらヨーロッパの伝統的な田舎の風景をあまり知らないので、結局、これからも日本の風景を想像しながら聞くことになると思います。


最後になりましたが、『田園』はこのような曲です。(46分9秒)