法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

遠離一切顛倒夢想

幸か不幸か、ハランスメントや不正をたくさん見てきました。人生を大きく狂わされた人たちもたくさん見てきました。

あまりに苦しくて誰にも言えず、やっとの思いで告白しても誰も信じてくれず、家族や世間から「怠け者」「親不孝者」「嘘つき」と責められて、居場所を失っている人は世の中には大勢いらっしゃるのではないかと思います。

「心貧しき者は幸いなり、天国は汝のもとにあり」

そんな言葉を思い出しました。


傍目にはとんでもないことを平気でする人たちのように見えても、本当は、彼ら自身も心の中に大きな苦しみを抱えているのではないかと思います。

彼らの視点に立つと、実は苦しい人生を懸命に生きているのではないかと思います。彼らにとっては世の中は悪人だらけの敵だらけで、懸命に身を守らないといけない、敵をやっつけて我が世の春を謳歌しないといけない、そんな阿修羅のような人生(妄想世界)を生きているのではないかと思います。その結果、周りの人を修羅場に巻き込んで、蹴散らしたり蹴散らされたりしながら生きているのではないかと思います。

そんな彼らの苦しみを取ることができたなら、人間観も世界観も人生観も大きく変わって、すっかり生まれ変わるのではないかと思います。

仏教には「抜苦与楽(ばっく・よらく)」という言葉があります。平静を装っているけど実は苦しんでいる人たち、強がったり悪ぶったりしているけど実は苦しんでいる人たち、傍目にも気の毒なくらい苦しんでいる人たち。そんな人たちに抜苦与楽ができたなら、どんなに素晴らしいだろうと思います。

残念ながら今の私にはそのような力量はありません。しかし何度も生まれ変わるうちに、いつかできるようになるといいなと思っています。おそろしく壮大な目標です。