法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

スピード感

例えば新幹線に乗ったときのことを思い出すと、最高速度で走行していても、取り立ててスピード感は感じないように思います。その理由は、(1)車両が安定していて、揺れをほとんど感じない、(2)一定速度で直線走行しているので、加速度(加減速等)をほとんど感じない、(3)沿線の視界が開けているので、移動速度を感じにくい、からではないかと思います。

逆に言えば、スピード感を出そうと思ったら、(1)ガタガタと揺れを激しくする、(2)急加速・急減速を繰り返したり、軌道を左右に激しく揺らしたりする、(3)視界を限定する、などの作戦を取ればよさそうです。(例えば遊園地のアトラクションには、そのような作戦を取っているものがあるかもしれません)

これを応用すれば、生活の中でスピード感を持ってもらえるかもしれません。(1)生活の基盤を根底からぐらつかせる、(2)朝令暮改を繰り返す、(3)情報を隠蔽する、という作戦です。

生活者の視点に立つと、スピード感よりも安定感、すなわち(1)暮らしを守り、(2)明解な方針に基づき、(3)透明性の高い、行政運営が望ましいと思います。


数学用語を使って喩えるなら、「スピード」は距離の一階微分、「スピード感」は距離の二階微分にあたると思うので、

  • 行政が限られた資源(人物金)の範囲で距離を最大にするためには、スピード(一階微分値)を最大にして、スピード感(二階微分値)を最小にすることが大切だと思います。

  • 現状は、スピード(一階微分値)に無頓着で、スピード感(二階微分値)の絶対値を最大にすることが優先されてます。

物事の進め方において、天と地がひっくり返っていると思います。