法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

鎮守の森にて

(1)山川草木悉有仏性

「Stay home, stay farm, stay calm.」と言う言葉があるそうです。

今日は「Stay calm」ということで、とある山里に鎮座する神社の周辺を散策してきました。山里ですから、神社の近くには山があり、川があり、鎮守の森があります。ちょうど「山・川・草木」が組み合わさったところでした。

山は古代から神聖視されることが多々あったそうですが、ある意味で地のエネルギーの集積点のようなところだと思います。山は水に対して、物理学でいう「位置エネルギー」をたっぷりと与えています。水は重力に従って山から少しずつ流れ落ちながら、動植物に水分を与え、栄養分を下流に運び、水車を回し、地形を変え、様々な形で生命圏を支えています。

山があって、川があって、草木があって、はじめて生き物が生きていくことができます。生命の基本が「山川草木」なのかなと思いました。そして「山川草木悉有仏性」という仏教の言葉を思い出しました。

山川草木に囲まれていると、本当にたくさんのことを教えてもらえます。山川草木は実はとても雄弁です。人間も大自然の一部なので、耳を澄ませば誰にだって聞こえるはず。その証拠に、自然豊かなところに行けば誰だって元気をもらえますよね♪

(2)水のような人

山里の鎮守の森は、まるでいのちが萌え盛っているかのようでした。眺めているだけで、吸い込まれそうになりました。まさに山のエネルギーと水のエネルギーが織りなす天然美だと思います。

山に降った水は、地表を流れたり地下を流れたりしながら、やがて川を形作ります。そして川から海へと流れていきます。海の水はやがて蒸発して雲となり、雨となって山に戻ります。その途上、あちらこちらで生き物の体内をも巡ります。水の最大の仕事は地球上を巡ること。その結果、生命圏が作り出され、維持されています。水は流れを作ります。水は万能媒体です。

そんな水のような人に私はなりたい。山を眺めながらそんなことを思いました。そして山のエネルギーと川のエネルギーが体内を流れているさまをしばらくイメージしてました。

(3)見る角度によって全然違って見える

そのとき通りがかった方が、ふと声をかけてくださいました。そして、こんなお話をしてくださいました。

この山は、こちらから見ると三角形のように見えますが、横から見ると台形に見えて、後側から見ると丸く見えるんですよ。見る角度によって、形がまったく違って見えるんですよ。

同じように人間も、正面から見ると悪い人に見えたとしても、横から見ると良い人かもしれないし、後ろから見ると素晴らしい人かもしれませんよ。たまたま見えた角度だけで人を判断してはいけませんよ。

この話を三回繰り返して聞かせてくださいました。ある意味で「群盲象を評す」のようなお話かもしれません。とても大切なお話を聞かせてくださったように思いました。

(4)淀みから流れへ

意識が自分だけに向くと淀みの真っ只中に放り出されますが、意識が周りへと向くと流れを生むように思います。

先ほど「そんな水のような人になりたい」と書きましたが、より正確に書くと「シンクのような人になりたい」と思ったのでした。水を流し出す力があってこそ、力強く水を吸い込むことができます。そして、どんな汚れをも流し去ることができます。淀みをなくして、清らかな流れを生み出すことができます。もしかしたら瀬織津姫の働きに似ているかもしれません。

そんなことを思っていたところに、通りがかりの方が聞かせてくださったお話だからこそ、大切なことなんだろうなと思いました。

(5)記憶が飛ぶ

私は後遺症の影響で記憶がすぐに飛んで行ってしまいます。神社では笑い話のような失敗をしました。時節柄、「Stay alone」を大切にしなくては、と改めて思いました。