法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

自律的に独自の意思決定をすること

COVID19 が世界中で蔓延して、とうとう WHO 事務局長がパンデミックという表現を用いるまでになりました。経済力のある国々では COVID19 の蔓延を防ぐためにあらゆる手段を取ろうとしています。まるで総力戦の戦時体制へと世界が移行しつつあるかのようです。やがて消耗戦の様相を見せるようになるかもしれません。

この状況を喩えるなら、姿を見せないエイリアンと人類が戦っているかのようです。かつて、エイリアンが攻めてくれば世界各国は協力せざるを得なくなる、という説を聞いたことがあります。はたして COVID19 の脅威に対して世界各国は一致協力して世界平和が訪れるのか、はたまた世界経済が破綻して世界各地で紛争が勃発するのか…

ある意味で COVID19 はとても中途半端な存在です。感染しても発症するとは限らず、発症しても軽症者が多いそうです(重傷者は20%程度、致死率は2%程度と何かで読んだ記憶があります、もちろん決して小さな数字ではありません)。そのため、知らないうちに蔓延している可能性が高い一方で、普通の風邪よりも症状が重いので放っておく訳にもいかず、かと言って防疫以外の有効な対策はまだ知られていないようです。最終的には根絶ではなく共存の道を選ぶしかないかもしれませんが、全世界がその結論に至るまでの道のりは決して平坦ではないと思います。


このような場合に、仮に世界中が同じアルゴリズム(対策手順)を採用して行動すると、世界中のアルゴリズムが次第に同期してしまって、世界中が一斉に同じ手順を踏むようになるかもしれません。仮にそのような状態になってしまうと、世界中が極端から極端に振れる状況に陥ってしまい、世界経済が大混乱に陥ってしまうと思います。

それを避けるためには、国ごと地域ごとに別々のアルゴリズム(対策手順)を採用して、地域ごとに異なるフェーズ、異なる対策を行っている状況にする必要があると思います。そうすれば、各地域が補完しあったり、一人一人が助けあったりできて、困難な状況を乗り切りやすくなるのではないかと思います。

ですから、これから訪れるであろう困難な状況においてこそ、地域ごとの autonomy と uniqueness (diversity) が重要になると思います。地域ごとに別々に取り組んで、やがて「根絶から共存へ」と舵を切っていく。世界全体の意思統一を待っていたら、世界経済が破綻する前に、世界中の地域経済が破綻しかねませんので…


そのようなことを思っている私は、仮にエイリアンが来たとしても、地域ごとに、さらには一人一人が自主的に行動した方がよいのではないかと思っています。外交と同じで、仮に政府同士が敵対的な態度を取ったとしても、草の根レベルでは友好関係を結べるかもしれないからです。ウィルスも同じだと思うのです。

そのような訳で、仮にエイリアンが来ても、ウィルスが来ても、意思決定をどこかの誰かに任せてはいけないと思っています。自ら情報を集めて、自ら判断する。間違いがわかったらすぐに訂正する。いつどこで間違っても大丈夫なように、情報や推論の確からしさは常に意識して、確からしさに応じた体重のかけ方をする。情報を集めて仮説を立てては検証を繰り返すことこそ、これからの時代にとても重要な態度だと思います。失敗は成功への一里塚。特に若い方々は、回復可能な失敗をこれからいっぱい体験できますように。