NHK「クローズアップ現代+」の下記記事を読みました。この記事によると、例えば音楽業界がミュージシャンを発掘してプロモーションをかけているように、現代アートでもアーティストを発掘してプロモーションをかけているそうです。
ただし音楽業界と現代アート業界ではターゲットとする客層が大きく異なるので、手法も大きく異なっているのではないかと思います。音楽業界は楽曲にしろライヴにしろ薄利多売の世界ではないかと思いますが、現代アート業界は少数の作品を高額で取引する世界だと思います。作品の目標価格帯に見合ったプロモーションをかけて価値を高めていき、最終的には大富豪に数億円、数百億円という価値を見出してもらうことを目標にしているのではないかと思われます。
評価額の変動が激しい世界でしょうから、自分のモノサシで価値判断できる人しか生きていけないのではないかと思います。権威によるお墨付きを重視する日本には向いてない世界かもしれません。逆に言えば、日本で活動していると、世界に出る前に潰されてしまうかもしれません。若い人は潰される前に世界に出ないと生きていけない世界かもしれないなぁ、などと思いました。(日本はどの業界でも同じだと思いますが…)
所有物の生前整理をしている私には摩訶不思議な世界ではありますが、プレイヤーとして現代アート業界に生きる人にとっては、人生を賭けたくなるような魅力的な世界なんでしょうね。クロージングに向けて歩んでいる私でも、そんな気持ちはなんとなくわかるような気がします。
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