法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

三つの願い

子供の頃、「三つの願い」というお話を読みました。(絵本で読んだのかもしれません)

昔々あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。ある日、魔法使いがやってきて、三つの願いを叶えてもらえることになりました。二人は相談しましたがなかなか結論が出ません。おばあさんがふと「今日は大きなソーセージが食べたいね」と言うと、大きな大きなソーセージが現れました。おじいさんは、おばあさんが無駄な願いを口にしたことに怒って、「ソーセージを鼻にぶらさげておけ!」と言うと、ソーセージはおばあさんの鼻にくっついてしまいました。どんなに頑張ってもどんなに工夫しても取れないので、二人は困り果てて、「ソーセージを鼻から取ってください」と言うと、鼻から取れました。こうして三つの願いを叶えた魔法使いは帰ってしまいました。二人は喧嘩をやめて大きなソーセージを仲良く食べました。おわり。

こんなお話だったと思います。子供の頃はただのお伽話だと思ってましたが、この歳になってみると「これって人生を表しているなぁ」と思ってしまいます。

若い頃は本当に欲しいもの・必要なものが何なのかわからないまま、いろんなものを手に入れてみたり、いろんなことを体験してみたり。ところが、いざ生前整理が必要になって改めて身の回りを見つめてみると、あれもこれも手放せるものばかり。しかして一番大切なものは一番身近なものでした。そのことに気付くためには遠い遠い回り道が必要だったのかもしれません。

おじいさんとおばあさんにとって一番大切なものは、もしかしたら二人で過ごす時間だったのかもしれません。あまりに身近すぎて、それが見えなかったのかもしれません。魔法使いのお蔭で、二人で非日常を体験して、二人にとって一番大切なものを見つけることができたのではなかろうかと思います。三つの願いの使い方として、ちょうどよかったのかもしれません。


「三つの願い」は様々なバリエーションがあるようです。童話集で有名なシャルル・ペローの「おろかな願い」も同様の物語です。どちらが先なのかはわかりません。