法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

本当に必要なことだけに囲まれた世の中へ

随分昔に「会社の寿命は30年」という話を聞いたことがあります。当時はピンと来ませんでしたが、今から思うと、業界を巡る状況は刻々と変化するので、起業から30年も同じ業態でいると廃業せざるを得なくなるという意味だったのではないかと思います。

下記記事によると、1980年代に航空業界で山小屋運送業務の争奪戦がおこり、ヘリコプター運賃が極端に安くなったそうです。しかし時代とともに農薬散布や林業などの大口民間事業がなくなって稼ぎが減り、山小屋向けの運賃を大きく値上げしないと航空事業として回らなくなっているそうです。

かと言って山小屋側も簡単に値上げに応じるだけの財力はありません。その結果、4社あった事業者が1社に減り、さらに残った1社も様々な事情から運送能力が半分くらいに落ちてしまい、山小屋が山小屋として機能するのが難しくなっているそうです。

下記記事より『6月末のある日、T航空の荷上げを翌日に控えていた僕たちは一本の電話を受けた。「ヘリが全て故障したので、当面荷上げはできません」。ここから今回の騒動は始まった。』

バブルから30年。業界を取り巻く事情は大きく変わり、業界が持つ緩衝能力の限界を超えてしまった事例は他にもたくさんあるのではないかと思います。その結果あちこちで、業界が社会的役割を果たすことが難しくなったり、業界自体が存亡の危機に陥ったりしている事例が多数現れているのではないかと思います。

言い換えると、社会全体が大きく変化せざるを得なくなっているのではないかと思います。ところが、必要な変化があまりに大きすぎて、人々の認識能力をはるかに超えてしまっていて、適切な対策が誰にもわからない状況に陥っているのではないかと思います。

そんなときこそ肩の力を抜いて、本当に必要なことから手をつけていくことが大切ではないかと思います。そうすると、本当は必要ではなかったことが後回しにされて、そのまま消えていくと思うからです。そして、本当に必要なことだけに囲まれた世の中になると思うからです。

そんな風に、世の中の断捨離が求められているのではないかと思います。

なんだか話が大きくなってしまいました…