法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

秘境と観光

秘境と呼ばれるところは、観光地として高いポテンシャルを持っているところが多いのではないかと思います。ですから秘境の交通事情を改善して、よりたくさんのお客さんを呼び込みたいという観光業者や地元住民の気持ちはなんとなくわかります。

その一方で、交通網が発達して往来が便利になればなるほど、そして誰もが簡単に行き来できるようになればなるほど、外来文化の影響を受けやすくなったり、観光客におもねるようになったり、物見遊山の観光客が増えたりして、伝統文化や自然環境を守り続けることが難しくなり、秘境度が薄れてしまうのではないかと心配する気持ちもあります。

また、神社や寺院の長い参道には気持ちを鎮める効果があるように、秘境への長い道のりにも気持ちを鎮める効果があると思います。本物の伝統文化を求めてやってくる人たちにとっては、交通事情の良し悪しはあまり関係ないのではないかとも思います。

しかし、地元の人にとっては観光道路の改良は生活道路の改善でもあるので、その地域に関わってない 人が想像や夢物語だけであれこれ感想を述べるのは失礼なことなのかもしれません。過疎化・高齢化が進む中、伝統文化を守っていくためには生活の基盤である生活道路の改善は必須なのかもしれません。産業が少ない中、観光道路の整備は死活問題なのかもしれません。

現代社会においては、秘境と呼ばれるところで伝統文化や自然環境を守り伝えていくことと、日々の暮らしを守りながら地域経済を回すことは、両立させることが大変難しい状況にあるのかもしれません。ですから、傍からどうこう言うべきことではないのかもしれません。

ただできることなら、可能な範囲で伝統文化と自然環境が後世に伝わるとよいなと思います。当事者でもないのに慎に身勝手な願望、誠に申し訳ありません。