法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

中田考(著)「私はなぜイスラーム教徒になったのか」

中田考(著)「私はなぜイスラーム教徒になったのか」を読みました。著名なイスラム法学者である著者が、本来のイスラムについて、また現代のイスラムについて、そしてイスラム法学者から見た非イスラム世界について語ったことをまとめた本です。

日本で生まれ育った私は、学校教育と社会経験を通して、知らず知らずのうちに西欧由来の価値観に染まっています。そのためイスラム法学者の視点はとても新鮮で、とても斬新で、「こんな見方もあったのか!」と唸りたくなるような記述がたくさんありました。

ただ、私の普段の視点とは大きく異なるので、具体的な内容はすぐに忘れてしまうかもしれません。しかしその衝撃は記憶の奥深くに刻まれて、折に触れて思い出されるのではないかと思います。時間をあけて記憶が薄れた頃に読むと、また新たな衝撃を感じることができるのではないかと思います。そのくらい興味深い本でした。

巻末に、編集を担当した田中真知さんによる解説および中田考さんへのインタビューが掲載されています。最後の「教え子が語る中田考」は、イスラム法学者である著者の人柄がにじみ出ていて、とても興味深かったです。