法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

森弘之(著)「2つの粒子で世界がわかる 量子力学から見た物質と力」

森弘之(著)「2つの粒子で世界がわかる 量子力学から見た物質と力」を読みました。講談社ブルーバックス・シリーズの本です。

物理学の重要な分野である量子力学の観点から見た『粒子』について書かれていました。この本によると、あらゆる『粒子』は大きさによらず「ボーズ粒子」か「フェルミ粒子」の2種類に分類できるそうです。それぞれの粒子の性質が一般向けに紹介されていました。また、量子力学の著名な研究者の業績も併せて紹介されていました。


以下は門外漢による素人な感想です。

素粒子は『粒子』としての性質と『波』としての性質を併せ持つそうです。その意味するところは、素粒子の性質を人間の日常体験の延長線上で理解することは本質的に不可能、ということではないかと思います。それでも敢えて日常体験の延長線上で理解しようとするならば、「『粒子』と『波』の性質を併せ持つ」というわかったようなわからないような曖昧な表現を使うしかなく、それ以上の理解は不可能ということではないかと思います。

人間の作る測定装置は、人間が理解できる測定結果を示してくれます。したがって、人間が作った測定装置を使っている限りは素粒子の性質を「ありのまま」に解明するのはとても難しいのではないかと想像しています。人間の理解力の範囲を超えた性質を持つ素粒子を観測するためには、人間の理解力の範囲を超えた観測装置が必要ではないかと思います。しかしそのような観測装置を人間自身が作るのは不可能ではないかとも思います。

理論物理学が扱う数式についても同様のことが言えるのではないかと思います。

つまり、物理学は「人間の認識能力から見た物理世界」を解明するためのものであって、人間の認識能力の範囲を超えた物理性質を明らかにすることは不可能ではないかと思います。人間の認識能力というフィルターを通すからこそ、物理現象に観測者が影響を与えているように見えるのではないかとも思います。

人間の理解の範囲を超える現象をどうやって測定するか、どうやって議論するか。そこがクリアできないと、知らず知らずのうちに袋小路に迷い込んでしまって、巨大な迷宮から抜け出すことができなくなってしまうのではないかなと思います。門外漢の素人にありがちな妄想的勘違いである可能性は大ですが…(笑)