法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

大伽藍

およそ大伽藍というものは、民衆の血と汗と涙の結晶だ。命がけの結晶だ。

権力者から重税と重労働を科され、強制供出・強制連行に泣き、大工事に伴う物価高騰と物資不足で生活は困窮を極め、工事活動で生活環境は破壊され…、それでいて大伽藍建立の名誉も管理権も権力者が独り占め。民衆にとっていいことなどないのだ。


古今東西の歴史を眺めてそんなことを思ってしまう私は、かなりのひねくれ者かもしれません。

そんな私は、ノートルダム寺院の再建にともなうあらゆるシワ寄せは直接・間接に民衆が引き受けることになるのではないかと今から危惧しています。彼の地の人々にキリスト教の神のご加護がありますよう!そして 4/21(日) が思い出深き復活祭となりますよう!


  • 大規模火災が起きたフランス・パリ中心部のノートルダム寺院(大聖堂)の再建に寄せられる寄付が、論争を巻き起こしている。仏全土では昨年十一月以来、厳しい生活に苦しむ国民による反政権デモ「黄色いベスト運動」が続く。高額寄付を表明した企業に対し、「十分な資金があれば労働者に還元すべきだ」など不満がくすぶる。

【出典】仏大聖堂再建へ寄付1000億円超 「貧困も救って」くすぶる不満 (東京新聞, 2019-04-20)


  • フランス・パリ中心部のノートルダム寺院(大聖堂)を舞台にした仏作家ビクトル・ユゴーの小説「ノートルダム・ド・パリ」が、十五日夕の大火災後、仏各地の書店で売り切れ状態になっている。
  • アシェット社も(中略)年内いっぱい、一冊の定価四・六ユーロ(約五百八十円)のうち一ユーロを再建費用として寄付する。
  • 同じくノートルダム・ド・パリを出版するマドリガル社も三万部増刷して価格を下げ、収益の寄付を決めた。エディティス社も一年間、同小説で得た利益を寄付する。

【出典】ノートルダム寺院舞台 ユゴー小説、注文殺到 収益 再建へ寄付 (東京新聞, 2019-04-20)


〔付記〕

明日の日曜日 4/21(日) はキリスト教復活祭だそうです。復活祭前の1週間 4/14(日)〜20(土) は「Holy Week(受難週)」と呼ばれる特別な1週間だそうです(イエスエルサレム入りから磔刑、そして復活前日までにあたるそうです)。

その Holy Week 期間中の 4/15(月) 夜にパリのノートルダム大聖堂(=我らが貴婦人の大聖堂)で大火災が発生しました。多くの方々が大変な衝撃を受けておられるのではないかと思います。皆様の心が平安でありますように。

(私は「火の洗礼」(マタイ3-11)という言葉を思い出しましたが、キリスト教のことをほとんど知らない門外漢ですので、かなりトンチンカンな連想だと思います…)(…天人地の柱を開く象徴ではないかなと思いました…)