法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

素描は脳のバグを突くのか…

今日は素描なるものを拝見する機会がありました。「素描(そびょう)」は聞きなれない言葉ですが、デッサンやスケッチのことのようです。素描には独特の味わいがあって、拝見していると時間が経つのを忘れてしまいます。

しかし考えてみると素描はとても不思議な行為です。実際の花には輪郭線がありませんし、色合いも時間帯や天候によって随分違って見えるはずです。ところが、鉛筆と水彩絵具だけで花を写し取ってしまう。花には輪郭線はないはずなのに、輪郭線が描いてあるだけで花に見えてしまう。微妙に色合いを変えるだけで、花の開き具合まで見えるような気がしてしまう。どうなってるんでしょうね。脳の認識能力のバグを突いてるのかなぁ…。バグを上手に突ける画家さんは、写真よりもスーパーリアリズムよりもリアルな存在感を持つ花を描けてしまうのかなぁ…。春の陽気に誘われたのか、素描を拝見しながらそんなことを考えてしまいました。

これはおまけですが、、素描があまりに正確だったからでしょうか、花や葉の細かいところを見ていると、とてもシンプルでいて構造的でもあり、ある種の構造的設計といいますか、工学的デザインといいますか、そういうものを感じてしまったようで、、突然、頭の中がカシャカシャと音を立てて、自宅を出発するまで取り組んでいたとある技術的なことで頭の中がいっぱいになってしまいました。花の素描を細かく観察しているはずなのに、頭の中では技術的な問題が繰り返し再生されている…。そんな不思議な体験をしました。ひょっとしたら脳の認識能力のバグを突かれたのかもしれません(笑)