気候変動阻止に向けた活動と発言で世界的に大きな影響力を持つスウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥーンベリさん。スウェーデン総選挙直前の2018年8月に、気候変動阻止を訴えて登校拒否して国会議事堂前に座り込みを続けました。総選挙後も金曜日に座り込みを続けたそうです。その運動は2018年12月には270都市で2万人にも広がり、さらに広がり続けているそうです。また、2018年11月には TED で、12月には COP24 でスピーチを行いました。2019年に入ってからも著名な会議での次々とスピーチを行なっているそうです。
以下にスピーチの映像を貼ります。
【映像】グレタ・トゥーンベリさん(スウェーデン)によるCOP24(気候変動枠組条約第24回締約国会議)でのスピーチ (COP24, 2018-12-04)
スウェーデンから来た15歳のグレタ・トゥーンベリです。私は「クライメート・ジャスティス・ナウ」の代表をしています。小国のスウェーデンで何をしようとも無意味だと皆言います。しかし、変化を起こすには大きさは関係ないとを知りました。ほんの数人の子どもが学校を休むだけで世界に注目されるのです。世界の人々が本気で協力すれば何ができるか、想像してください。
しかしそのためには、どんなに言いづらいことでも、はっきりと発言する必要があります。不人気を恐れ、環境に優しい、永遠の経済成長のみを語る人や、今の惨状を招いた間違った考え方を押し通すことだけを主張する人がいます。こうした考えにブレーキをかけるべき時が来ているのにです。真実を語れない未熟な皆さんが、その負担を子どもに課しているのです。しかし私は自分の人気よりも、気候正義と地球生命を大切にしたいのです。
ごく少数の人たちが巨額のお金を儲ける機会のために私たちの文明が犠牲になっています。私の国のような国々にいるお金持ちが贅沢に暮らすために私たちの生物圏が犠牲になっています。少数の人の豊かさは、大勢の苦しみであがなわれています。
2078年、私は75歳の誕生日を迎えます。もし子どもがいれば、その日、彼らは皆さんのことを私に尋ねるでしょう。手を尽くす時間が残っているうちに、なぜ何もしなかったのかと。子どもを何より愛していると言いつつ、皆さんは子どもの未来を奪っています。
政治的にどうかではなく、やならければならないことに注力しなければ希望はありません。危機意識がなければ危機は解決できません。化石燃料を地中にとどめ、公平性に焦点を当てる必要があります。現在の仕組みの中で解決法が見つからないのなら、仕組み自体を変えるべきかもしれません。
私たちは世界のリーダーの皆さんにお願いに来たのではありません。皆さんはこれまでと同様に私たちをないがしろにするでしょう。もはや言い訳の余地はなく時間の余裕もありません。変化はいや応なく訪れることを私たちは伝えに来ました。普通の人々こそが真の力を発揮できるのです。
ありがとうございました。
【映像】School strike for climate - save the world by changing the rules | Greta Thunberg (TEDxStockholm, 2019-12-12)
以下、グレタ・トゥーンベリさんの活動を紹介する記事です。
- 気候変動阻止の登校拒否」を世界に広げるスウェーデンのグレタは16歳。「温暖化の事実に、政治家が何もしないのに、学校に行って何を学べるというの? (環境金融研究機構 RIEF, 2019-02-20)
- ストライキ、街頭デモ…16歳の環境活動家 若者たちと連帯、地球温暖化防止に挑む (毎日新聞, 2019-02-26)
以下、グレタ・トゥーンベリさん (Greta Thunberg) についてです。