法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

デレク・トンプソン(著)「ヒットの設計図」

デレク・トンプソン(著)「ヒットの設計図」を読みました。大ヒットはどうやって生まれるのか。世界的な大ヒット作品と、世間から見向きもされない作品は、どこが違うか。そんなことを考えるためのヒントが詰まった本でした。

この本には、大ヒット作品をゼロから生み出すための方法が書かれている訳ではありません。これまでの大ヒット作品が生まれる過程の紹介と、その解説が書かれていました。また、目利きの人が未来の大ヒット作品を見つける方法も紹介されていました。大ヒット作品や作者やファンを「ブラック・ボックス(表面しか見えないもの)」として捉えて、傍から見ると大ヒット作品はどんな風にして生まれるかが書かれた本でした。

そのような観点からは、MAYA=「Most Advanced Yet Acceptable」(p.64)という言葉が印象に残りました。パリ出身で米国で活躍した著名な工業デザイナーであるレイモンド・ローウィが発見したヒットの原理だそうです。

私はどちらかというと作品も作者もファンも「ホワイト・ボックス(内面も見えるもの)」として捉えたいので、もう少し違うアプローチで考えたいです。その観点からは、ライアン・レスリーの「ネットワークがその人の力」(p.380)という言葉が印象に残りました。それぞれの人は、それぞれのネットワークの中で生きていて、そのネットワークを含めた全体がその人なんだと思います。生きるとは、ネットワークを編むことなのかもしれません。