法楽日記

デジタル散策記&マインド探訪記

鴻江寿治(著)「あなたは、うで体?あし体?」

鴻江寿治(著)「あなたは、うで体?あし体?」を読みました。種目の垣根を超えて多くのトップ・アスリートのトレーニングを引き受けてこられた著者が、長年の経験から発見した「骨幹理論」を元に書かれた本です。

著者によると、ほとんどの人の体は大きく二種類に分けることができるそうです。「うで体(うでからだ)=猫背型」と「あし体(あしからだ)=反り腰型」です。それぞれ正反対の特徴を持っているそうです。

「うで体(うでからだ)=猫背型」の人は、左の骨盤が後傾し、右の骨盤が前傾しているそうです。また、背骨は若干ながら前に丸まり(猫背傾向となり)、重心は母指球にあるそうです。そして、わずかながら左肩上がり右肩下がりとなり、首はわずかながら左前方に傾くそうです。動作をスタートするときは、上半身(主に手や腕)でタイミングを取ると本来の能力を発揮しやすくなるそうです。

「あし体(あしからだ)=反り腰型」の人は、右の骨盤が後傾し、左の骨盤が前傾しているそうです。また、背骨は若干ながら後方に反り返り(反り腰傾向となり)、重心は踵にあるそうです。そして、わずかながら右肩上がり左肩下がりとなり、首はわずかながら右後方に傾くそうです。動作をスタートするときは、下半身(主に脚や足)でタイミングを取ると本来の能力を発揮しやすくなるそうです。

両者は体の特徴が違うため、服装、靴、椅子、寝具など暮らしの中の意外なところでも、体にとって快適なもの、快適な姿勢が正反対になるそうです。

この本には、「うで体」と「あし体」の特徴、見分け方、快適な暮らし方、能力の高め方などが書いてありました。とても興味深い本でした。


ちょっと試してみたところ、私は「うで体(うでからだ)」の傾向が強いようでした。

私の勝手流の覚え方ですが、「うで体」はわずかながら右斜め前に傾く傾向があり、「あし体」はわずかながら左斜め後ろに傾く傾向があるのと思うと、特徴を覚えやすいように思いました。左右のバランスを整えるために、頭の傾斜方向は体の傾斜方向とは左右反対になる傾向があると考えると、首の傾き具合も覚えやすいように思いました。

なぜそのような傾向が発生するのかのメカニズムは私には想像もつきませんが、もしかしたら体の重心が肉体の中心線上にないからではないかと思いました。考えてみると、内臓は前後・左右とも非対称で元々重心は中心線になさそうですし、利き腕・利き足側に筋肉が付きやすいので両手両足の重心は偏りそうですし、食事や消化の進み具合によって体の重心が前後左右に若干ながら揺れそうですし…

体の重心が肉体の中心線上にないため、体のバランスを取るために無意識のうちに体を若干傾けて調整しているのかもしれません。そのとき右斜め前に若干傾ける傾向のある人は「うで体」となり、左斜め後ろに若干傾ける傾向のある人は「あし体」となるのかもしれません。人間の体は、右斜め前から左斜め後ろへの線上を重心が行ったり来たりしやすいようにできているのでしょうか…

著者によると、つかまり立ちする頃の赤ちゃんは「うで体」と思われるそうです。その後、生活習慣、服装、その他の影響で「あし体」に変わる人もいれば、「うで体」のままの人もいるそうです。ひょっとしたら筋肉や脂肪の付き具合による重心の高さの変化も関係するのかもしれません。

著者は日本で活動しているので、日本で生まれ育った人の体の特性についてはとてもよくご存知のことと思います。読者である私の興味としては、世界的な傾向(文化や民族や気候や地勢による違い)を知りたいと思いました。特に西洋式体育の影響を受けていない人たちや、西洋式文明の影響を受けていない民族の傾向に興味があります。また、心のあり様と「うで体」「あし体」の関係にも興味があります。それから、「うで体」にも「あし体」にも分類できない人が稀にいるそうですが、どのような体の使い方をされているのかにも興味があります。続編が出ないものかと今から楽しみです。


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